根知谷のテロワールを語れる酒 『Nechi』ブランドを立ち上げた気鋭の蔵元が問う独自路線
ワインのように「テロワール」にこだわる根知の酒蔵。
■地酒は地元のコメで造るもの
「日本酒の本質的な価値は、原料米の生産から酒蔵のある土地で手がけることにあります」
これが渡辺蔵元の持論。1997年から地元根知谷で酒米の契約栽培を始め、2003年には自社田での栽培がスタートした。そして使用原料の全量自社栽培を目指し、農業生産法人も設立。
原料米の生産から酒の仕込みまで、一連の工程管理を自分たちで行う体制の確立である。 かくして4月から9月までは田んぼが、10月から3月までは酒蔵内が仕事場になった。
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■テロワールを語る地酒を
とは言え、酒造りに理想のコメを作るのは簡単ではなかったはず。試行錯誤と労苦の連続…すべては根知谷のテロワールを語れる酒のためだ。
「根知谷の自然か育んだ米の特徴を生かして、ここの気候風土を味わいに映し出した地酒の真髄を追求したかったのです」
酒蔵を取り巻く環境の中で、自らが生産した米を使って酒を造るという試みは、ワインでいうところの「AOC」や「ドメーヌ」に通じる。
こうして生まれた酒は、軟水の仕込み水にコメの旨みをじっくり引き出し、穏やかな口当たりの中に力強い美味しさが潜んでいる。