最高金賞を連続受賞で注目される新潟『伝衛門』 新米杜氏を支えた醸造試験場の助け

新潟市北部、越後平野にある越後伝衛門は、コンペでの数々の受賞歴が注目を集めている。

2018/02/28 22:00

越後伝衛門

 燗酒と冷酒というお酒の楽しみ方を提案するとともに、お勧めのお酒を提示するコンペティション。ここで、一昨年、昨年と、目を引く活躍を見せているのが、越後伝衛門の酒だった。


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■注目のコンペで最高賞を連続受賞

越後伝衛門

2016年に、『純米酒 伝衛門』が「全国熱燗コンテスト」で、プレミアム燗酒部門の最高金賞を、『大吟醸生貯瓶火入れ <越後の縁>』が金賞を受賞。

2017年には、『純米大吟醸 <文>』と『純米吟醸 伝衛門』が「全国燗酒コンテスト」のプレミアム燗酒部門の最高金賞(12点/275点・入賞率4.4%)。

また、『大吟醸 越後の縁 生貯瓶火入れ』が同・金賞(75点/275点・入賞率27.3%)を受賞。

さらに、『純米吟醸酒 新潟自然農場』が、「ワイングラスでおいしいい日本酒」~メイン部門・最高金賞(18/324点・入賞率5.6%)を、『純米吟醸酒 伝衛門』が、同金賞(72/324点・入賞率22.2%)を受賞した越後伝衛門酒造。

とくに、2017年の「全国燗酒コンテスト」では、晩酌や食事にぴったりの新潟酒らしく『大吟醸 越後の縁 生貯瓶火入れ』(越後伝衛門)を含め10本に上った。

この時に、新潟酒で最高金賞に選ばれたのは、『純米大吟醸 <文>』と『純米吟醸 伝衛門』の2本のみだった。

「全国新酒鑑評会や地区ごとの鑑評会は別として、お酒のコンペティションへはほとんど出していなかったのですが、こうして、認めていただけることはやはり嬉しいですね。


苦労もしましたが、酒造りの本当の楽しさも見えてきました。社員みんなの喜びとやる気にもつながっていますし」


嬉しそうに、しかし、冷静な表情で話してくれたのは、杜氏の尾崎雅博さん。入社から20年近くとなり、会社の中でも中心的な存在の一人となっている。


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■新潟市内の北部、越後平野にある酒蔵

越後伝衛門

創業は1996年、極めて新しい酒蔵だ。開業に際して週刊誌に打った広告を、東京で何気なく目にしていたのが、現在の杜氏、尾崎さんだった。

その記憶がなぜかずっと心に残り、就職先を考えた時に思い出したという。小平から新潟まで来てしまったのだ。

「それほどお酒が好きだったというわけでもなかったのですが、酒造りということには興味を持っていました。社長面接で10年勤められるのだったらと言っていただき、入社となりました」


そして、ちょうど10年経った頃。杜氏さんが退職することになった。その頃、杜氏の下で働いていたのが尾崎さんだったため、「新たにから採用するよりも」と、杜氏昇格の打診があった。

酒造りの道に入った者にとって、杜氏は最終目標。誰もがなれるものではない。「やってみないか?」と言われて断る理由はない。

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■失敗続きの杜氏修行
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