郷愁と安らぎの魚沼の里 米と自然を活かす『八海山』の技
八海醸造がつくる『八海山』といえば、全国でも屈指の人気と知名度を誇る。
■日本酒を核としたテーマパーク「魚沼の里」へ
わざわざ南魚沼市にある酒蔵まで来てみたいと思わせる要素が、この酒蔵にはたくさん揃っている。そのひとつが雪室。
「冬は2~3mの雪に閉ざされる不便な中で、人口も多いとはいえないけれど6万人もの人々が暮らしている。そこには知恵と工夫が詰まっている、南魚沼。
その中で工夫しながら人々が暮らしている。その知恵と文化を酒造りにも活かさない手はない。なめらかな温度変化と湿度は、酒の貯蔵、熟成に最適。何より自然エネルギーですから」
それが、2013年に完成したこの雪室のスタートだったという。雪室は少し離れているが、緑が豊かな酒蔵の周囲に飲食店やショップが点在する「魚沼の里」。
この地に訪れて、環境の素晴らしさをたくさんの人に知ってもらい、楽しんでもらうとともに、地元の活力になれたら、という思いも詰まっている。
また見学はできないが、伝統と歴史を知り技術を高める場として、第二浩和蔵もその一角にある。
南雲杜氏:様々な事業を展開していますが、いずれも、日本酒に関わる米、麹、発酵をテーマにした事業展開です。それほど、日本酒は奥深く、日本の風土や生活と密着しています。
そして、それらを運営していくのも、私たちが、永遠にお酒をつくって日常のお酒を、美味しいと言ってくれる人たちのために頑張っています。それが私たちの使命であり、責任ですから。
蔵元が勧めるお酒を紹介しよう。
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①『特別本醸造 八海山』
麹米に五百万石、掛け米には契約栽培で入手するしか方法のないトドロキ早生を使用。ふくらみのある味わいが、長く人気を保ってきている理由だろうという。
②『八海山 雪室貯蔵三年』
精米歩合50%と大吟醸仕様ながら、アルコール度数が17.0%と高めだ。年間通じて庫内温度約4℃の雪国伝統の食糧貯蔵庫「雪室」で3年熟成させ、まろやかで、さっぱりした辛口。5年ものも予定。
③『純米大吟醸八海山 浩和蔵仕込』
世界に通用する最高級品質を追求したプレミアム日本酒。アルコール度数17%、精米歩合45%。
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(取材・文/Sirabee編集部)