「帰りたい場所、帰るべき場所へ」 法医学の尊さに反響『アンナチュラル』

恋人を失った者、家族を失った者…知らず知らずのうちに「帰りたい場所」になっていくUDIラボ

エンタメ

2018/03/03 15:00

『アンナチュラル』

死因究明のスペシャリストが集う、架空の公益財団法人「不自然死究明研究所(UDIラボ)」を舞台に、様々な社会問題を投影するTBS系ドラマ『アンナチュラル』。

2日放送の第8話では、最愛の妻の死を受け入れられず、妻の遺骨の受取を拒み続ける男性の心理や、雑居ビル火災の犠牲者の解剖の進捗が並行して描かれ、「死と向き合うことの尊さ」を訴えかける内容に、反響が広がっている。


 

■「死因の究明」の意義って? 久部の父の偏見

元厚生労働省医政局職員で、UDIラボの所長である神倉(松重豊)は、ゴミ屋敷と化した自宅で暮らす男性(ミッキー・カーチス)の元を度々訪れ、将棋を指していた。

彼は、妻の突然死を受け入れられず、UDIラボに保管されている遺骨の受取を拒み続けているという。

そんな中、雑居ビル火災で犠牲となった10体の焼死体が運ばれ、法医解剖医のミコト(石原さとみ)や中堂(井浦新)らUDIラボのメンバーは犠牲者の身元特定にあたることに。

その中に1体だけ、頭部を強打した跡とロープの跡が残る「他殺の可能性」を伺わせる男性の遺体が。事件の可能性も視野に警察との連携を図る中、唯一の生存者が記録員の久部(窪田正孝)の父親(伊武雅刀)が勤める大学病院に搬送されていることが発覚。

情報共有と息子の様子を伺いに来た父は、医者の道から外れようとしている久部に…

「この国の解剖率が上がらないのはぜだと思う? 死人に金を使う人間がいないからだ。死体をいくら調べても、生き返らせることはできない」


と、人の命を救ってきた医者の立場から辛辣な言葉を投げかけ、ミコトに対し「息子を解雇してほしい」とも言論した。


 

■「身元特定」に使命感を背負う所長

焼死体の身元を特定していく中で、デンタルデータによる特定方法について触れられる一幕が。

未だネットワークが整備されておらず、全国の歯科に問い合わせた後、紙ベースのデータとの照合も含めた地道な作業の実態が浮き彫りとなる。

その中で、神倉や中堂は「災害犠牲者の身元特定」について触れる。神倉は、東北の震災時に紙のカルテが流された中、現地の歯科医師たちと共に遺体の身元特定にあたった経験を持つ。

身元特定に至らなかった多くの遺体と、大切な人の遺体を探し続ける遺族たちを目の当たりにした悲痛な経験から、UDIラボ設立にあたっても、「デンタルデータ」の重要性を強く掲げていた。

「ご遺体を帰るべきところへ帰す」法医学の尊さと、なかなか叶えられない現実が克明に描かれた。

次ページ
■「おかえり」帰るべき場所へ

この記事の画像(1枚)

あなたにオススメ