男装アイドルから実力派作家へ 元風男塾・原田まりるの波乱万丈な人生

アイドル活動を経て、作家の道へ転身した女性がいることをご存知ですか?

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作家、原田まりる。昨年9月、彼女が執筆した『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社)は、17歳の女子高生・アリサが、現代に降り立った哲学者ニーチェと出会い、成長していく物語だ。

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(画像はAmazonのスクリーンショット)

同作は京都府を舞台にした小説の中から選ばれる「京都本大賞」選考で、芥川賞作家・綿矢りさの『手のひら京』、塩田武士の『罪の声』などを抑え大賞を受賞。哲学本として異例の話題を誇っている。


 

■男装アイドルから作家へ

原田は、人気男装ユニット『風男塾』のメンバーとして活動していた元アイドルである。

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活動していた約4年間、王子のような衣装をまとった生活をしていたという彼女は、なぜ作家の世界に足を踏み入れたのだろう? 

その理由は、風男塾としてデビューする以前に遡る。

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――芸能界に入ったきっかけは?

「19歳の頃からレースクイーンとして活動していました。『頭文字D』という走り屋の漫画が好きで車のショーに行った際に、スカウトしていただいたんです。


フォーミュラニッポンのチームインパルで2年間活動したのですが、2年目の終わりには『レースクイーン・オブ・ザイヤー(※)』という賞もいただきました。


(※編集部注:その年もっとも活躍したレースクイーンの表彰制度。過去には吉岡美穂や菜々緒もグランプリを受賞)


でも、『これから芸能界で結果を残さなくては…』と思い始めた矢先、活動休止せざるをえない出来事が起きまして」


 

■日本一のレースクイーンが一転どん底へ

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――その出来事とは?

「賞を獲ってから過度のプレッシャーを感じるようになり、かかった病院で『神経を休めるために』と処方された薬がまったく体質に合わないまま治療が進められ、寝たきり状態になったんです。


自分で唾も飲み込めない、トイレも1人で出来ない、介護してもらわないと起き上がれない最悪の状態になってしまいました。


最終的にセカンドオピニオンでかかった大学病院で、治療薬が自身の体質に全く合わないことが判明して…。


回復したのですが、長期間寝たきりだったので大学は辞めざるをえなくなり、数ヶ月のうちにレースクイーンとしての居場所も無くなって、得たチャンスはすべて水の泡になりました。


周囲から責められることはありませんでしたが、信頼を失ったので、他人が離れていくことが辛かったですね」


――芸能界の道は閉ざされ、入学した大学にも行けなくなった。

キャリアビジョンが一瞬で閉ざされたことに対し原田は、「人生、完全に詰んだな(※)と思った」という言葉で当時を振り返る(※望みが絶たれたという意味のネットスラング)

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■会社員として働く日々

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