男装アイドルから実力派作家へ 元風男塾・原田まりるの波乱万丈な人生

アイドル活動を経て、作家の道へ転身した女性がいることをご存知ですか?

2018/03/04 08:30


 

■アイドルを辞めてからの生活は…

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(画像は原田まりるFacebookのスクリーンショット)

――アイドルから作家に転身した際の、周囲の反応は?

「たくさんの意見がありました。


親身になってくれる人ほど 『こうしたほうがお金が稼げるよ』とか、『アイドルの名前を生かしたほうがいい』とか、『セミナーを中心にしたほうがいい』と意見をくれるのですが…。


気持ちはありがたいけれど、そういった意見は全部無視しましたね。(笑)


そういう方法もあるかもしれませんが、最終的に自分のことは自分以外責任とれないですし、自分は人前に出てなにかやるよりも、黙々と執筆しているほうが向いているので、理想主義的に頑張りました。


不安がなかったと言えば嘘になりますが、それより『今、挑戦しないといけない』という気持ちが強かったんです」


2014年11月、初めて書き下ろした『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)は、自らの体験をもとに「哲学の教え」を紐解いた作品だ。

学生時代に経験した壮絶なイジメや過去の恋愛について赤裸々に描かれているが、迷いはなかったという。

「そこではっきりものを言わずにいい子ぶっても、『ただ、いろいろなキャリアをやって人に評価されたいだけの人間』だと誤解されてしまうと思ったので、自分の気持ちにただひたすら誠実に書きました。


品行方正ではない点についてもしっかりと描き、なにか人に言われても『すべてここに書いてある通りです!』と本音を言える人間になりたかったんです。


文章の書き方は昔習っていましたが、小説の書き方は独学です。哲学についても独学で学びましたし、言い回しはアニメや漫画の影響が大きいかもしれませんね」


 処女作の発表後、まもなく冒頭で紹介した『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』の執筆を開始。

その後もコンスタントに活動を続け、昨年11月27日には、哲学者のことばを収録した日めくりカレンダー『まいにち哲学』(ポプラ社)が新刊として出版された。

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■今後の野望

現在は哲学に関連した作品だけでなく、漫画の原作や小説、ゲームシナリオ制作など、同時に10本ほどの作品を進行中だという原田。

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――これからどんな作品を作っていきたい?

「面白いと思ったものは形式にとらわれず作っていきたいです。最近だと、おじさんや童貞みのある主人公に設定した作品が多いです。


そういうキャラの独白を書くのが、自分には向いていますね。男装していた影響かもしれません。男性が主人公の作品を書くのは、すごく楽しいです。


哲学者ユングが提唱した概念の中に、『アニマ』『アニムス』という言葉があります。これは、無意識のうちに男性の中にも女性性があり、男性の中にも女性性がある、という意味合いの言葉です。


女性ならこうしなさい、とか、男性はこうではないと…という概念に縛られ、苦しい思いをして生きている人たちが世の中にたくさんいると思います。


そういった価値観から人々が解放されていけばいいなと思っているので、『男性像』や『女性像』といった一般論に縛られない作品も作っていきたいです。


あとはシリアスなものよりコメディーが得意なので、哲学思考を生かした理知的なコメディーには力を入れていきたいですね」


さまざまな経験を通じて、生み出されていく作品の数々。その視点は、紆余曲折を乗り越え、ジェンダーの枠を越えた経験をしてきた原田だからこそ紡ぐことができるものだろう。

今後も、作家・原田まりるの活動に期待したい。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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