明治時代、醸造研究者が立ち上げた長岡の酒蔵 速醸酛を産んだ『お福正宗』の蔵元
日本酒のつくり方には「生酛」「速醸酛」があるが、現在多く採用されている速醸酛はこの蔵が発祥。
速醸酛発祥の蔵。
■中越地震の苦難も乗り越えて
お福酒造では1997年、生産農家から提供された圃場で当時の推奨酒造好適米・一本〆の作付けを開始。その収穫米によって『山古志純米吟醸』の醸造を実現した。
以後、酒米作り体験ツアーや物産展を通じて山古志の豊かな自然環境とともに、新しいブランドのアピールを重ねてきた。
「でも2004年、新潟県中越大震災により、醸造蔵の倒壊、山古志の棚田も壊滅状態になりました」
こうした苦難を乗り越えて翌年に醸造を再開、棚田も修復されて2007年には山古志酒米生産者協議会が発足するまでになった。
この年に新しい仕込み蔵が完成して、生産農家とともに『山古志』ブランドの醸造体制が整った。かくしてお福酒造では、このコメの旨みを生かす酒造りが今日も続けられている。 以下は蔵元お勧めの商品だ。
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① 『お福正宗 金撰 普通酒』
香り穏やかでやや濃醇タイプ。米本来の旨みを生かした、柔らかな味わいは料理を問わず飲み飽きしない。創業時からの晩酌定番酒。冷やでも美味いが燗映えする酒質。
② 『山古志 純米吟醸』
米の旨みを感じる芳醇辛口タイプ。山古志の自然豊な棚田で契約栽培された酒米で醸した。生産農家の熱意と越後杜氏の心意気、自然の力強さが感じられる。
③ 『お福正宗 純米吟醸』
新潟県産五百万石を100%使用。清楚な香りと淡麗ですっきりとした味わいが特徴。米の旨みが広がり、キレの良い淡麗な喉越しが楽しめる。
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(取材・文/Sirabee編集部)