「越後三梅」とうたわれて地酒ブームを盛り上げた『峰乃白梅』 400年近い歴史の老舗蔵
幕末、長岡藩に「米百俵」を贈った三根山藩の城下町にある酒蔵だ。
「普通酒はつくらない」という酒蔵。
■普通酒を造らない理由とは
こうした恵まれた自然条件を生かして、造られるお酒は100%特定名称酒だ。
「本醸造、純米酒、純米吟醸にしぼって造っています」と高橋社長は話す。 この土地ならでは良質な水は、すっきりとしたきれいな味わいの酒を生み出す。
普通酒を造らず特定名称酒にこだわるのは、コメをしっかりと磨いて水を生かし本格的な品格を追求するゆえだろう。
「現状は新潟淡麗辛口です。でも将来的には芳醇辛口を目標にしています」と高橋社長。美味しい本格派を求める情熱に終わりはないようだ。 蔵の歴史は寛永年間(1624~1643年)に遡る。徳川幕府は3代将軍家光の治世。
この頃、越後三根山藩に酒を献上したとの記録が残ることから、じつに380年にもわたって酒造りをしてきたことがわかる。
新潟県内で2番目に歴史ある蔵ということになる。 なお三根山藩は江戸末期の戊辰戦争で、荒廃した本家長岡藩にコメ100俵の救済米を贈った、いわゆる「米百俵」の逸話でも知られている。
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■『峰乃白梅』の名に込めた想い
純米吟醸・純米酒・本醸造 代表銘柄を『峰乃白梅』としたのは、1979年のこと。
隣町の漢学者・斎藤而立庵師より贈られた漢詩から採ったもので、品質では山頂を目指して「峰」を、味わいには清らかさを求めて「白梅」を冠したという。
かくして「越後三梅」とうたわれ、新潟地酒の地位を確立。 全国新種鑑評会では平成25・26・27酒造年度3年連続金賞、関東信越国税局酒類鑑評会では平成25・26酒造年度の吟醸の部・純米の部にて2年連続優秀賞W受賞を果たしている。
「2年前にラベルを一新しました。水にぬれてもはがれないようにしたのです」と高橋社長。純米吟醸には「潤(うるおい)」、純米酒には「瑞(しるし)」の文字をサブキャッチにして入れ、酒質をイメージできるようにしている。