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「じゃあ、行きますかね」 最終回『バイプレイヤーズ』の恩返しに涙

オフショットも交えた、その見事な演出と編集にも感謝の声が続々

エンタメ

7日、テレビ東京の人気ドラマ『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』(以下、『バイプレイヤーズ』)が最終回を迎えた。

2月21日に主演のひとりである大杉漣さんが急逝し、撮りきれなかったシーンが多数あった中、脚本の変更や追加撮影のほか、オフショットも使用するなどの工夫が凝らされ、その仕上がりの素晴らしさに、放送終了直後から感動と感謝の声が続々と寄せられている。

なお、故人については敬称が基本だが、この作品の世界では「大杉漣役」という役名であり、本レビューではこれまで通り、他のキャストと同様に「役者・大杉漣」としてお届けする。

■バイプレイヤーより愛をこめて

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

最終回のあらすじを見てみると

『しまっこさん』のクランクアップを間近に控えたある日、予知夢のような夢を見た大杉は、スタッフへの恩返しを決意する。そんな中、島おじさんと島ママの撮影は終了! その日に島を離れることにした遠藤、田口、松重、光石の4人だが、島ハウスを出る前に大杉が書いたある手紙を発見する…。

スタッフ不足で混乱中の現場で、ひとり残った大杉が取った行動とは?「しまっこさん」は一体どうなるのか!?おじさん達の共同生活もついに最終回!

 

冒頭の「【バイプレイヤー】(和)by+player」説明には、「様々な作品を渡り歩くが、関わったすべてのキャスト・スタッフを愛している――」の文字が。

 

■「笑って観る!」の全力待機

キャストやスタッフがSNSで次々と最終回の告知を投稿していたが、ファンたちも早くから「#バイプレイヤーズ」に集い始め、「笑って観る!」という決意のコメントが並ぶ。

でも、ファンだからこそ「笑って観る」と決意した人たちほど、こめられた愛の大きさを感じて、貫き通せなかったのだけれど…。

 

■週3でゴールドジムに通う亀

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

のっけから亀コスプレで、子供にボコられる夢を見ている大杉に盛り上がるTL。

登場した「助ける監督と書いて、助監督ですから」と言う朝ドラの助監督に助けられ、「きちんと、恩返しをさせていただきます」と背中に乗せて竜宮城へ案内しようとするも、ムリじゃないかと心配される。すると

「大丈夫ですよ。あの、週3回、ゴールドジムに通っていますからね」

 

しかも、起こしに来た田口トモロヲが、相変わらずの下ネタフレーバーだ。

 

■大杉漣記念館

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

ジャスミン(北香那)に香盤表を配られながら、わちゃわちゃしたオッサンたちの朝食シーンで、撮影の終了スケジュールが近いことが語られる。

すると「ハム恵ちゃん、もう終わりでちゅって。長かったでちゅねー」と赤ちゃん言葉全開の遠藤憲一に、思わず田口が「エンケンさんって、こんなキャラだっけ?」とツッコむも、「最近ずーっとこうですよ」と冷静な口調の松重豊。

今作の初回から「これはズルい」かわいさを見せてきた、遠藤とハム恵のツーショットが炸裂する中、ふと光石研が「でも終わりってことは、この家どうしましょ?」と言い出す。

「このまま放っておけば」とドライすぎることを言って、みんなにツッコまれた松重が「えー。もしかして、大杉漣記念館ですか? 北島三郎記念館とか、加山雄三記念館みたいな」。

さらに後ほど、片付けしていた光石が大杉の描いた「大杉漣記念館 完成予想図」を発見したり、その後も改訂版が出てきたりして、みんながそれをいじる場面も。だが、TLには本気で作ってほしい人が大量発生。

これまでもテレ東の要望フォームに書き込むなど、何かと本気で嘆願してしまう「バイプレ」ファン。あながち“ここだけの話”のつもりじゃない可能性もあるので、冷静に考えてみたが――収容すべき作品がとんでもない数になる…。

あれこれファンの希望を叶えてきてくれたテレ東でも、さすがにちょっと引くレベルになりそう。

 

■ハム恵じゃなくて…

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

島おじさんオールアップ前日、ハム恵を東京へ連れて帰るためのベッドを作る遠藤に、みんな萌えまくり。

しかし翌日、島の子供たちが島ハウスに現れて遠藤がハム恵を見せると、じつは子供たちが飼っていたハムスターだったと発覚する――その名は「ハム大路欣也」でオスだった。

当然、子供たちに返すかと思いきや「だって俺のハム恵だもん」と、抵抗する遠藤。

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

さらに「じゃあ、どっちに懐いてるか、試して、それで、勝ったほうのものでいい?」と粘って勝負に持ち込むが、あっさり子供たちに負ける。

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

しかし、ハム恵を失い呆然とする遠藤に、駆け寄る松重と「トモ恵もいますよー」と励ます田口に、「尊い…」となる人が続出した。

 

■バイプレイヤーの恩返し

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

島おじさん撮影最終日の前夜、心配性の遠藤がみんなをセリフ合わせに誘ったわちゃわちゃの後、テラスで飲んでいるとオールアップの挨拶を確認し始めた大杉だが、それが超大作!

でも、それを本当に言う姿を観たかった…と、堪えていたけれどウルウルし始めるTL。

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

また、翌日の島おじさんオールアップ後、「現場終わったんだけど、まだスタッフさんたちと話してる。あの人現場、好きだから」という田口のセリフにも、決壊者が続出する。

さらに松重が、大杉の用意していた「長い挨拶」をわちゃわちゃしながらの形で「代読」し始めると、もうかなりの人が…。

しかも、キャストの表情に、ついみんな見入ってしまう。

「でも恩返しって、漣さんらしいよね」という光石の言葉もグッとくるのだが、田口のこのセリフにも決壊ポイントが…

「なんか僕らも(恩返し)しようよ! 浦島れんれんに!」

 

「浦島れんれん…亀だけど?」となる人が多発しつつも、キャストとスタッフの気持ちが痛いほど伝わってくる――物語は「大杉のスタッフへの恩返し」だけど、この最終回が「共演者やスタッフたちからの、大杉への恩返し」なのだと。

 

■散水車の差し入れ!

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

大杉が一人残って、朝ドラ『しまっこさん』の撮影を手伝う中、最終日にトラブルが起きる。大杉がみんなにグループLINEで知らせていた心配が的中し、演出上必要なのに、予算のないテレ東は雨を降らせることができないのだ。

みんなが「テレ東だぞ」「テレ東だろ」となる中、雨を降らせるための散水車がやってくる――車を降りてきたのは、遠藤、田口、松重、光石!

「みなさんから、散水車の差し入れ、いただきましたー!」とスタッフが歓喜の声を上げ、

【散水車】水をまく装置を備えた車両。借りると高い。

 

テロップが入る中、たぶんそれまで堪えていた人たちも、完全決壊して「目から散水車」状態に。

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

雨を降らすオッサンたちに、

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

その雨を受けてほほ笑む、朝ドラ『しまっこさん』ヒロインの志麻子(本田望結)と、

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

雨上がりの虹を見上げる朝ドラキャストたち――でんでん、滝藤賢一、渡辺いっけい、野間口徹、森下能幸。これで無事に、『しまっこさん』の撮影は終了した。

 

■お風呂に入ってるだけなんだ

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

朝ドラ『しまっこさん』の打ち上げが島ハウスで始まり、宴もたけなわ、みんなで一足先に最終回を観ようとすると、松重が遮る…

「ちょっとまだ、漣さんがさ…」

 

大杉はドラム缶風呂に入っているのだ。

みんなで呼ぶが、お風呂を満喫していて出てきそうもないため、大杉不在のまま上映会をスタートする。

渡辺いっけいがいきなり「お父さん」だったり、お母さん役の吉田羊がなぜか精霊化していたりして、TLのみんなを混乱させるものの大団円な朝ドラ最終回が流れた。

ドラマの中のみんなが上映後に拍手していると、画面には志麻子が登場して…。

「なんと、第一回の放送から出演し、志麻子の島暮らしをずっと見つめてきた、あの島おじさんたちのスピンオフドラマの放送が、決定しましたー。

 

『しまっこさん』スピンオフ、『もしも島おじさんが主役になったら』観てほしいさ~」

 

に、「観たい!」という声があふれる。

遠藤、田口、松重、光石が驚く中、翌日からのスピンオフ撮影開始が告げられ、大盛り上がりの『しまっこさん』キャストとスタッフたち。4人はそのことを伝えようと、改めて大杉を呼びに出て行くのだった。

 

■スピンオフの撮影スタート

(画像提供:(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会)

その夜、5人は大宴会を繰り広げ、翌日の撮影は全員が二日酔い状態。しかし、スタッフがスタンバイをお願いすると、バイプレイヤーたちは一人ずつ顔を上げ、大杉がこう言うのだ。

「よっしゃ。じゃあ、行きますかね」

 

立ち上がり、大杉を先頭に海へ向かって歩き出す5人――そう、毎週観ていたオープニングは、この続きだったのだ。そのカッコよすぎる姿に、痺れるファンたち。

そのまま撮影が続いている流れで、これまでも観てきたエンディング、竹原ピストル「ゴミ箱から、ブルース」の撮影シーンに繋がる。

 

■ファンから感謝の声が続々

曲が終わり、カチンコが鳴らされると暗転し、テロップが出てきた。

このドラマはフィクションです。
ありがとうございました!
また、会う日まで。

 

その余韻に浸っていると波の音が聞こえ、画面が切り替わる――波打ち際に立つ遠藤、田口、松重、光石の後姿。

「漣さーん! ありがとー!!」

 

その背中が4つしかないことに、受け入れがたい現実を感じて打ちひしがれる人もいれば、ファンも一緒に「ありがとう」を言えているような構図に、救いを感じた人も多かった。

物語が幕を閉じ、たった今、観終わった作品を振り返りながら、「よく、このシーンが撮ってあったな」「オフショットがいっぱい観られて、良かった」「どこからが、変更した設定だったのか…」と、さまざまに想いを馳せるファンたち――。

TLや公式Twitterへ続々とあふれ出したのは、感動を伝えるコメントと共に、キャストやスタッフ、関係者、そして、役者・大杉漣への感謝の言葉だった。

 

そうやって「ありがとう」を伝え、終わってしまったように振舞っているけれど、きっとみんなまだ心のどこかで、こう思っている。

「現場終わったんだけど、まだスタッフさんたちと話してる。あの人現場、好きだから」

 

そうして、また会う日を待っていたいのだ。

《これまでに配信した『バイプレイヤーズ』に関する記事一覧はこちら

・合わせて読みたい→『バイプレイヤーズ』最終回直前 大杉漣役のこれまでをプレイバック

(文/しらべぇ編集部・くはたみほ

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