江口洋介主演『ヘッドハンター』 プロデューサーが転職で得たリアルも
テレビ東京の新ドラマ枠「ドラマBiz」の第一弾作品として話題の『ヘッドハンター』。担当プロデューサーに、その見どころを聞いた
■キャラクターの魅力
ドラマ『ヘッドハンター』第1話のあらすじを少しだけ紹介すると、
ヘッドハンターとは、企業の要望に応え、必要な人材の転職を斡旋する者をいう。この物語はヘッドハンターを生業とするひとりの男・黒澤和樹(江口洋介)を通じ、転職にまつわる様々な人間模様を描く新しいヒューマンドラマ。対象者の心の奥深くまで入り込み、選択を迫ってゆく強引なやり方に、ある者は“救われた”といい、ある者は“酷い目にあった”という。はたして黒澤は、人生の転機に現れた救世主か?それとも悪魔か?
となっている。
転職斡旋会社「SAGASU」のヘッドハンター兼社長である主人公・黒澤和樹を江口洋介。
その片腕で社長補佐であり、総務・経理も担当する灰谷哲也は、杉本哲太。
黒澤をライバル視し、業界最大手の転職斡旋会社の老舗「ブリッジ」のシニアバイスを務める、やり手の女性・赤城響子を小池栄子が演じる。
同局の『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』から江口、杉本、小池が集結していることだけでも話題となっているが、第1話のゲストには『未来世紀ジパング』でMCを務める内田恭子まで「ヘッドハントした」らしく、なかなか豪華な布陣だ。
稲田氏:江口さんをはじめ、出演者の方たちからは「台本がおもしろい」と言っていただいて、それを膨らませる空気感がある、いい雰囲気の現場です。しっかり芝居ができるみなさんに集まっていただけたので、安心感と安定感があります。
とくにライバルである江口さんと小池さんの掛け合いは、エンタメ作品としてわかりやすく、でも二人の力量で一癖ある、一筋縄ではいかない複雑味を足してもらっている。「ドラマBiz」で求められる、大人に鑑賞してもらいたいドラマに仕上がっていると思っています。
硬派なドラマではあるが、スイーツ好きな設定である杉本演じる灰谷に加え、「SAGASU」リサーチャー・舘林美憂役の徳永えりが、緩急のポジションを担う。
稲田氏:哲太さんがチャーミング。ドラマ内でスイーツをかなり食べるシーンがあるのですが、設定だけじゃなく、本当にお好きなんだと思います。(笑)初日も甘いものを差し入れしてくれたのですが、いろいろ解説してくださいました。
ドラマの中で、徳永さん演じる美憂が灰谷のスイーツ好きを利用して、あれこれ情報を聞き出すのですが、そうしたやり取りも「お約束」として、楽しんでいただけるんじゃないでしょうか。
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■クールな江口洋介の役どころ
主演の江口といえば、昨今は硬派な役どころで評価の高い役者だ。
稲田氏:江口さんが演じる黒澤は、裏のあるアウトローなキャラクターで、かなりハードボイルドなカッコイイ役です。ただ観ていただけるとわかるのですが、いつも洋食屋で食事をする――ここでだけは、違う表情をチラッと見せます。
なぜ、そこだけ別の顔を見せるのか? その答えは、中盤くらいに明らかになるのですが、会社ではぶっきらぼうな黒澤が、それを境に変化するのか…というのも、気になるポイントです。
また、毎回ゲストが登場するのですが、そのゲストも芝居巧者のいい役者たちがキャラクターにぴったりな演技をしてくれるのも、大きな魅力になると思います。
ドラマBiz『ヘッドハンター』だが、硬派なビジネスものというだけでなく、ドラマとしての見どころも多い。
稲田氏:ドラマBizと謳っていますし、ビジネスをテーマにしてはいるのですが、どこかサスペンスを観ているような、ちょっとしたどんでん返しも毎回盛り込んであるので、ストーリーを純粋に楽しんでほしいです。
もちろん、転職におけるノウハウやデータといった、知識として役立つ要素もありつつ、じつは仕事だけじゃなく、ドラマとして家族や周囲の人間関係など幅広い内容が詰まっているので、まさに「ヒューマンサスペンス」と言っていいのかもしれませんね。
ワークライフバランスなどで、仕事をする人の多くが考えるだけでなく、生活を共にする家族や一緒に働く周囲の人たちなど、「転職」は誰にとっても身近に直面するテーマ。
エンターテインメントとビジネスを融合した新たなドラマ『ヘッドハンター』が、この春、見逃せない作品のひとつになることは間違いなさそうだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)