「親が死んでよかったね」 ブラック企業に寄せられた衝撃の体験談を弁護士が一刀両断

「働き方改革」の流れもある中で、こんなとんでもない会社もまだ存在する。

2018/06/02 10:00


 

■先輩「お母さん、死んでよかったね」

もっとも身近な家族の闘病と死。それに歯を食いしばって耐え、仕事に打ち込むという状況も、すでにブラック企業に「洗脳」されているように感じられるが、さらなる悲劇が襲うことになる。

「ところが例の先輩に『お母さん、死んでよかったね。仕事、集中できるようになって!』と言われ衝撃を受けました。上司に抗議しても、『その通りだろ』という対応。


あまりにも衝撃が大きく、私自身も病気になりそのまま退職しました。あのタイミングで会社の狂気に気づいてよかった! 母親が教えてくれたのかもしれません」


体を壊してしまったものの、ブラック企業を離れることができたひーるそんさん。しかし、本人にとっては許しがたい記憶の1ページだろう。


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■弁護士の見解は…

早野述久弁護士

こうした先輩や上司の発言、会社の文化に法的な問題はないのだろうか。鎧橋総合法律事務所の早野述久弁護士に聞いたところ…

本件では、上司や先輩の行動が違法と判断されるポイントが2つあります。1つ目は、根底にあるサービス残業の文化です。会社が従業員に対して残業代を支払わずに残業させるのは、労働基準法37条に違反し、違法です。


母親の看病が必要なひーるそんさんにサービス残業を強いるほどこの会社ではサービス残業・長時間労働が常態化していたのでしょうが、ひーるそんさんが労基署に申告すれば行政指導の対象になりますし、悪質な場合は刑罰(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)が科されます。


2つ目は、「お母さん、死んでよかったね。仕事、集中できるようになって!」という発言です。ひーるそんさんがサービス残業を強いられ、母親の看病もまともにさせてもらえなかったという事情も踏まえると、このような人格否定的な暴言はパワハラとして違法になる可能性が高いでしょう。


早野弁護士によれば、「違法性が認められた場合、ひーるそんさんは30~50万円程度の慰謝料を請求することができる」とのことだ。

こちらのブラック企業エピソードは6月10日まで募集中とのこと。気になる人は、相談の意味も含めて応募してみよう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力/日本リーガルネットワーク

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