「肺炎でも食中毒でも出勤しろ」 ブラック企業が強要する恐るべき「洗脳」の実態とは

「働き方改革」が叫ばれているが、世の中には恐ろしい会社もまだまだある。

社会

2018/06/06 08:00


 

■肺炎や食中毒でも「出勤しろ」

勤務時間が多いゆえか、給与は高かったというりささんの職場。ただし、そんな働き方では体に負担が溜まるのは必然だ。しかし、そんなときの会社の対応は…

「現にお金は稼げたので好きなもの買ってお金に困ることはなかったので、満たされてる気がしていました。熱が出ても証拠を見せないといけないので一度会社に行かなきゃいけません。私は肺炎になっても食中毒になっても、『出勤しろ』と言われました」


さらに退社を告げたときに追い打ちとなった対応で、さらにダメージを受ける結果に。

「女の私は殴られることはあまりなかったけど、男の子たちは恐怖で統率することが良しとされていて、殴る蹴るはよくありました。


そこに6年もいて、そこそこの役職についてやってた自分がびっくりです。頭がおかしかったのかもしれません。辞めるときに裏切り者と言われ、その時初めて胃腸炎になって円形脱毛になりました」


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■弁護士の見解は…

早野述久弁護士

こうした先輩や上司の発言、会社の文化に法的な問題はないのだろうか。鎧橋総合法律事務所の早野述久弁護士に聞いたところ…

早野弁護士:りささんは、毎日15時間勤務していたということになりますが、1日8時間を超える労働時間は残業時間となります。りささんは歩合制だったようですが、歩合制であっても(残業代の計算方法が通常とは異なるものの)残業代を請求することができます。


携帯電話代を自腹で負担していたというくらいなので、「この会社では本来支払われるべき残業代はまったく支払われていなかったのだろう」と推察され、労基法37条違反が指摘できます。


また、月あたり150時間程度残業していたということになりますが、これは36協定の上限(通常45時間)を超えているでしょうから、このような残業をさせること自体が労基法32条違反になる可能性もあります。


給与の支払いについても問題が大きいようだが、休みの前の日から朝まで一緒に遊ぶことを強いられたことはどうなのだろうか。

早野弁護士:休みの日に社長に呼ばれて話し相手にさせられていた点については、参加を強制されていたのであれば労働時間と評価され、残業代を請求できる可能性があります。


ただし、こういった職場のコミュニケ―ションは、断れない雰囲気であるとか、不参加だと理由を問われて面倒なので参加していたというようなことが多く、参加を強制されていたとまでは言えないケースもあります。


さらに、病気にもかかわらず出勤を強要したことについても厳しい見解が。

早野弁護士:肺炎や食中毒になっている従業員に対して「出勤しろ」と命じることや、「殴る蹴る」の暴力はパワハラにあたり違法となり得ます。


このような行為をした上司自身だけでなく、その雇い主である会社に対しても使用者責任(民法715条)、職場環境配慮義務違反により損害賠償を請求することができるでしょう。


こうしたブラック企業エピソードは6月10日まで募集中。自分の働き方が気になる人は、相談の意味も含めて応募してみよう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力/日本リーガルネットワーク

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