誤算が真海の狂気のギアを加速させる…『モンテ・クリスト伯』最終章

モンテ・クリスト伯真海が仕掛ける「華麗なる復讐」の結末へ向け、担当プロデューサーが徹底解説

2018/06/07 06:30

怨敵・南条幸男(大倉忠義)の罪が暴かれ、いよいよクライマックスを迎えつつある『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)。

ディーン・フジオカが演じるモンテ・クリスト・真海の正体が、かつて無実の罪に陥れた柴門暖であると復讐のターゲットたちが気づき、今夜10時放送の第8話ではまた新たな局面を迎える。

そんな『モンテ・クリスト伯』の全てを知る人物・フジテレビの太田大プロデューサーに、物語のこれまでと、ラストへ向けての見どころについて、しらべぇドラマ班がロングインタビューを敢行した。


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■幸男の破滅と愛梨の復讐

(画像提供:(C)フジテレビ『モンテ・クリスト伯』

前回、幸男はショーン・リー一家失踪事件に絡んだ過去を暴かれ、暖の身に起きた真実を知ったすみれ(山本美月)に離婚を告げられた。呆然とする中で、愛梨(桜井ユキ)がエデルヴァであることを知り、「最後の仕事をお願いします」と遺書を書くよう迫られる。

復讐を遂げた愛梨だが、その表情は晴れない。明日花(鎌田恵怜奈)からの電話で南条家へ駆け戻ると、幸男が首を吊ったところだった。

愛梨は憎い復讐相手である幸男の死を見届けたのか、それとも明日花に心動かされて、助けてしまったのか――いずれにしても、あのタイミングで明日花から愛梨に電話が入るのは、ちょっとズルい。

「愛梨にとって明日花は、自分の化身なんですよね。人気俳優の娘であり、親を失うことできっと不幸になる。明日花の中に、過去の自分を見ているわけです。

そして見方を変えると、かつて自分の両親が殺害されて連れ去られる時、目を背けたお兄ちゃんのように慕っていた幸男の立場――明日花の父親を死に追いやり、明日花を不幸にするのは、お姉ちゃんのように慕われている愛梨自身になっている。

また新たに自分と同じ思いをする人間を作るとわかっていながら、復讐へと自分を駆り立てて生きてきた。だから明日花からの電話は、何らかの布石というよりも、これまでも潜在的にずっと考えてきたはずの『私がしたかったのは、これなんだろうか?』を愛梨自身が、改めて確認するキッカケなんだと思っています」

桜井ユキ
(画像提供:(C)フジテレビ『モンテ・クリスト伯』

宿敵であるはずの幸男の立場に、自分自身がなってしまうことへの葛藤は小さくないはずだ。

「真海に比べて、愛梨は恨みを隠さない人。幸男にFAXを送ったり、『殺したい』と口にしたり。本当は葛藤がずっとあって、それを飲みこんでも『鬼になれるのか?』と、愛梨は自分を掻き立ててきたはずです。

そして真海は、愛梨のそういう葛藤している部分も、わかっているんじゃないかと思いますね」


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■真海から漏れ出した暖

(画像提供:(C)フジテレビ『モンテ・クリスト伯』

前回、真海がすみれに真相を告げた場面。「昔、一人の漁師が…」とたとえ話をする前、「悪いのは幸男なんだ!」と叫ぶシーンは、真海ではなく暖で、愛していた人に真実を言わずにはいられなかった想いに溢れていた。

「あの瞬間は完全に、暖が漏れ出てしまっていますよね。でもきっと真海本人は、認めないですけど。(笑)『なんのことですか?』と言って、全然違う話を始められちゃいそうです。

3話で真海は、すみれが作ったシフォンケーキを吐き出しました。本当にすみれのことを度々口にしているように『死んだんだ』と思えているなら、ああはならない。あそこまで拒絶しようとするのは、強い想いが残っているからだと思います。

真海にとってすみれは弱点で、すみれを前にすると、真海ではなくどうしても暖の気持ちが出てきてしまいます。だから遠ざけているのに、無理矢理、勝手に来る。すみれは避けていても、それを乗り越えて来ちゃうんですよね」


ようやく暖であることを認めながらも、「柴門暖は死んだ」と改めてすみれに告げた真海。この先、二人の関係はどうなっていくのか…。

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