大阪地震で「スマホ没収」の名門進学校 闇実態に「時代錯誤」と卒業生も嘆き

大阪北部地震で浮き彫りになる学校の「スマホ対応」。奈良県の某有名進学校では、地震翌日に「スマホ狩り」が敢行されたという。

2018/06/25 12:00


(Devenorr/iStock/Thinkstock)

当サイトでは先日、「大阪地震、生徒のスマホを没収する教師が続出 『命より校則』に疑問相次ぐ」と題した記事を配信した。

6月18日に発生した大阪北部地震の際、緊急地震速報や親からの安否確認の連絡が原因でスマホの所持が判明した生徒から、「校則違反」として教師たちがそれらを没収した…という内容だ。

校則を守ることは生徒の務めである一方、大規模地震の際は安否報告や余震への警戒などの観点から、連絡手段を持っておくことは重要。だが、一部の現場では柔軟性に欠いた対応が取られているようだ。


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■奈良県の名門私立で地震翌日に「スマホ狩り」

この問題で現在、大きく揺れているのが奈良県にある某名門私立進学校だ。同校は関西有数の進学校として知られ、中学と高校を有し、2018年度は現役・浪人合わせて東京大学、京都大学にそれぞれ数十名合格させた実績を持つ。

だが、一方で厳格な管理教育でも知られており、校内はもちろんのこと、登下校時の携帯電話・スマホ類の使用・携帯を認めていない。その結果なのだろか、地震翌日にこんな出来事が起きた。在学生のひとりが語る。

「地震の翌日に中学生が下校中に携帯を使ってるところを、体育教師が見回りに来ていて取り上げたそうです。うちの学校はわりと普段から体育教師中心に学校外で見回りをしていて、今回は、『たまたま地震翌日に』見回りをしたそうです」


同校は関西有数の進学校でありながら、立地面で恵まれているわけではなく、ゆえに遠方から1時間半~2時間程度かけて通う生徒も少なくない。通学にも慣れた高校生ならさておき、小学校を卒業して間もない中学生の子供がいる親は、大変心配だったはずだが…。

「仮に中学生がゲームしてたとしても、一応地震直後なんで注意ぐらいで終わればいいのにって正直思いましたね」(上記在校生)


上記のように厳しい監視体制のため、同校の生徒の多くはスマホを持ち運んでいない。その結果、地震直後には駅前の公衆電話に、数十名以上の列が形成されることになる。

なお、別の在校生いわく、現在の高3が中1の頃は、所持ではなく携帯電話の「契約」そのものが禁止されていたという。


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■当サイト報道翌日に期限付きの「特例」

(在校生提供・編集部で一部モザイク処理)

だが、さすがに上記の措置は在校生や保護者から批判の声が上がったようで、ネット上でも大きな騒動に。当サイト記事が配信しているひとつ「ニコニコニュース」では500以上のコメントがつき、学校の対応を非難する声も多かった。

それらを受けてか、同校では21日に「震災に伴う携帯電話持ち込みについて(ご案内)」という資料を生徒たちに配布。その内容の主なところを抜粋すると…

・期限は22日(金)~30日(土)まで


・連絡以外の使用は禁止で、持参した携帯電話は教師に預け、下校時に受け取る


・登下校時に使用する場合、他の生徒の目につかないところで


・他言しない(あくまで特別な事情による許可であり、むやみに他の生徒を刺激したり、他の目的に使用されることを防ぐため)


・携帯電話の番号を学校(担任)に伝える


という感じ。

ここで地震について基本的な知識をおさらいすると、地震はいつ何時来るのかわからないものである。今回の大阪北部地震の余震がおさまったとしても、いつ新たな大規模地震が来るかは予想できないのだ。

だからこそ、「特例として30日まで認める」というのは、有名進学校とは思えない、知性に欠ける判断とも考えられる。

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■干渉はスマホだけではない
スマホ校則
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