土俵上で倒れた舞鶴市長が復帰し「女人禁制」を批判 しきたりは守るべきなのか?
多々見良三舞鶴市長が復帰。記者会見で語られたのは…
今年4月、大相撲の巡業中に土俵上で突如倒れた兵庫県舞鶴市の多々見良三市長が、6月28日公務に復帰。その後開かれた記者会見で「土俵上の女人禁制について再考を促す」発言を行なった。
■女人禁制について独自の見解
多々見市長は、自身が倒れた際土俵に駆け寄って心臓マッサージを行なった女性に対し、協会側が場内アナウンスで「女性の方は降りてください」と呼びかけたことについて、「しきたりで言っただけで悪気はない」と理解を示す。
一方で「救命が必要な場合、男も女もない。処置が優先されるべき」と指摘し、「貫きたいなら男子の救急できる人を用意するべき」と提言。
さらに土俵が女人禁制となっていることについては、「時代と共に変えるべき伝統、習慣もある」と話し、相撲協会に対し「しきたり」の再考を促した。
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■世間の意見は?
一連の不適切アナウンスに端を発した「女人禁制のしきたり」問題については、「守るべき」と「変えるべき」の両意見が激しく対立。その結論がでないまま、うやむやになっている感がある。
そこで、しらべぇ編集部では全国の20代~60代の男女1,474名に「相撲協会は女性を土俵に上げるべきだと思うか」調査を実施。
結果、そう思うと答えた人は29.6%。さらに「どちらかといえばそう思う」が37.3%で、「土俵に女性を上げることについて肯定的な意見を持つ人は66.9%。
一方、「あまりそうは思わない」が23.9%、「そう思わない」は9.2%で、否定的な人の割合は33.1%に。今回の調査では、圧倒的に「女性を土俵に上げるべき」と考えている人が多いことがわかった。
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■それぞれに話を聞いてみた
実際どのように考えているのか、それぞれの意見を持つ人に話を聞いてみた。
<肯定派>
「女性というだけで土俵に上がれないのは違和感があるし、差別的な印象を受ける。極端な話、女性でも横綱より強ければ相撲を取ったっていい。現在のしきたりは、時代遅れと言わざるを得ない。
少なくとも救急活動を行なっている女性については、上げることを認めるべきです。そんなことは、当たり前でしょう」
<否定派>
「いろいろ言われていますが、私はしきたりを変える必要はないと思う。相撲界が守ってきた伝統であり文化なので、それをあれこれ言うほうがおかしい。世間がなんと言おうとも、圧力に屈せず貫いてほしい。
そもそも市長が倒れた際の不適切アナウンスが問題だったわけで、女人禁制とは別の問題。救命活動は別とすれば済む話です。そこからしきたりについて批判するのは、相撲協会憎しで叩いているとしか思えません」
女人禁制をどうするかは慎重な議論が必要だが、「男性の救命活動担当者を置くべきだ」という発言については、賛同する人がほとんどだ。
このまま女人禁制を貫くのか、時代に合わせて変わっていくのか。日本相撲協会は今後、この問題について「どうするのか」を明確にする必要があるだろう。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国20代~60代の男女1,474名 (有効回答数)