渋いイケメン俳優が骨太演技にハマる 『ラストチャンス』第1話を振り返る
元銀行員が書いた原作ならではのリアルな描写に対し、渋い俳優陣の「ドラマチックな演技」がクセになる
■ミッキー・カーチスがいい味を出している?
初回の放送で「いい味」を出していたのは、樫村が路上で出会った占い師役の、ミッキー・カーチス(79)。彼は、将来に不安を抱えた樫村が、たわむれに手相鑑定を依頼すると、
「人生、七味とうがらし」
という謎めいた言葉を投げかける。年齢不詳の「老け作り」をした彼の表情や振る舞いは怪しく、それ故にセリフに深みが増している。人生のスパイスとなる「うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、いやみ、ひがみ、やっかみ」という7つの感情を表すというこの言葉は、権謀術数渦巻く今後を予想させる。
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■「油断ならないキレモノ」風イケメンの椎名桔平
主演の仲村トオルと並ぶ「アラフィフのイケメン俳優」、椎名桔平(54)も「油断ならない」いい存在感を発揮している。椎名は、樫村の同期の宮内亮役で、東京大学出身の生粋のエリート行員。しかし、合併により出世の道が立たれ、いち早く退職し経営コンサルタント会社を立ち上げる。
宮内は第一話では、先見の明があり、論理的思考に長けたナイスガイに描かれており、後半では樫村を自らの会社に誘う「友達思い」なアクションを起こしているものの、セリフの端々から「情に流されないキレモノ」風のクールな一面が見て取れる。ラストシーンでは、「冷徹な人間」にも思える意味深な笑みを浮かべていた。