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東京医大の「女子減点」は必要悪? 現役医師の匿名投稿に「労働問題として捉えるべき」の声

リアルな投稿に考えさせられる人が続出。

社会

東京医科大学

世間を大いに怒らせている、東京医科大学(以下、東京医大)の女子受験生の一括減点問題。女性に対する差別としてネット上で大きな反感を買ってほか、3浪以上の男子大学生の合格も抑制するなど、炎上はさらに広がっている。

そんななか、現役の小児科が投稿されたと見られる「はてな匿名ダイアリー」の匿名のエントリーに大きな反響が集まっている。

 

■現場では「必要悪」という声も

医大を卒業して10年弱になるという投稿者。東京医大の問題について、「受験生の立場からすると到底認められるものではない」としながらも、「この措置は必要悪」という意見も現場にはあると述べる。

というのも昨今の医師不足で、医師たちは少なからず自己の健康や生活を犠牲にしながら働いており、自分の負担を考えたとき、時短勤務の女性医師より若い男性医師が同僚であるほうが、肉体的にも精神的にも楽なのは間違いないからだそう。

そして、投稿者は女性医師だけでなく、医師全体の働き方が問われていると述べ、医師の働き方改革について考えることを求めたのだった。

 

■一般社会でもよくあること?

東京医大の女子一括減点は、今の男女平等の時代において決して許される行為ではない。だが、これがもしも医療現場の「労働問題」に原因の一部があるとすればどうか。

実際、社会に目を向ければブラックな職場状況のなかで、時短勤務だったり、産休明けの女性社員が他の社員から内心疎ましく思われている…という光景は、決して珍しいものではない。

しかし、だからと言って若い男性が多く採用されれば解決するかと言うとそれも違う。「今」しか考えれなくなっている現場の社員はそれを望むかもしれないが、真に解決すべきは生産性の低い仕事の仕方や、会社の利益の立て方だからだ。

 

■様々な声相次ぐ

このエントリーを受け、他のネットユーザーの中には「働き方改革」について思いを馳せる人が続出した。

・これ、本質的には性差別問題ではなく労働問題で、単に問題のしわ寄せが真っ先に弱いところ=女に行ってる、という構図なのよね

 

・男なら激務で実を粉にして働ける環境が築きやすいから男性医師がいいって考えかたは、結局医師の激務継続を下支えするだけで誰も幸せにならない。もっと働きかたを変えていくしかない

 

・男女の性差以前に労働問題を解決していないからな

 

・自分の子どもができても男性は休まなくて構わない、という状況がまず歪んでいるのだ。休んで育児に参加すべき。休暇・慶弔・傷病・出産育児などで欠員が出ることを前提とした体制作りが(医療界に限らず)必要だ

 

・結局は「医療費が高騰する」「待ち時間が激増する」のどちらか(あるいは両方)を、私たちが受容するしか解決の道はない。この問題を叩いておきながら、医療費高騰や待ち時間延長は許せんというのはナシ

■既婚者の4分の1は「働きすぎ」自覚

しらべぇ編集部では以前、働き方に関する調査を実施。その結果、全体の19.1%が「自分は働きすぎだと思う」と回答していた。

なお、既婚未婚別では既婚者のほうが10ポイントほど高い数値に。

 

繰り返し述べるが、今回の東京医大の行為は決して許されるものではない。だが、怒りに任せて糾弾すれば、問題の根幹が解決するという話でもない。

医師全体の働き方改革を進めるために、社会全体で考えていくことがたくさんあるのではないだろうか。

・合わせて読みたい→東京医大、女子受験生の一律減点に「東京医大出身の女医は超優秀説」浮上

(文/しらべぇ編集部・尾道えぐ美

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年10月21日~2016年10月24日
対象:全国20代~60代の有職者686名(有効回答数)

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