収録中のベッキーに「電話してきた人物」とは? ガチすぎるNHK『神々のスマホ』制作者に聞いた
MCのベッキーとアンジャッシュ児嶋一哉が、若者のカリスマが実際に使うスマホの中をのぞき見る番組だ。
今年3月に放送され、ベッキーの地上波MC復帰でも話題となったNHK『神々のスマホ』。13日には、第二弾がジェンダーレス男子として注目を集めるゆうたろうをゲストに放送される。
初回の昆虫食美女に続く旬のゲスト選び、さらにそもそも「スマホの中身をのぞき見る」という挑戦的な企画は、どのようにして誕生したのか。
しらべぇ取材班は、NHK編成局の川口潤チーフプロデューサーと今回の番組を担当する市川隆志ディレクターに話を聞いた。
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■今の時代の「神々」を探して
思えば「神」という言葉は、ずいぶん身近になった。2016年には「神ってる」が新語・流行語大賞の年間大賞に輝き、AKB48の人気メンバーが「神セブン」などと呼ばれたことも。
番組の企画は、今の時代の「神」を探すことから始まったという。
川口氏:「NHKの番組に対して若い世代のアクセスが少ない」というのが、深刻な問題と考えていました。そこで、30代なかばまでのネット世代を惹きつける番組が作れないか、と。
1980年代に筑紫哲也さんがインタビュワーを務めた雑誌の企画で、「若者たちの神々」という連載がありました。浅田彰さんや島田雅彦さんなど、当時「新人類」と評された若者たちを取り上げるシリーズです。
では、今の時代の若者たちの「神」は誰なのかと考えたところ、SNSでインフルエンサーとよばれる人たちではないかと。
そこで輝くインフルエンサーに光を当てる際に、報道番組を担当してきた川口さんや市川さんの経験が活きることになった。
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■ドキュメンタリーは「狭く深く」
この番組は、バラエティ番組系ではなく報道出身のスタッフが企画したもの。
川口氏:私は報道番組出身で、普段は若者向け番組は担当していないんです。ドキュメンタリー番組をつくる際の鉄則は「狭く深く掘り下げる」こと。広く浅くすると、単なる解説番組になってしまうからです。
そこで、マニアな「神々」に迫るためにご本人のスマホにフォーカスすることにしました。今の時代、プライベートなこともオフィシャルなことも、個人の情報がすべて凝縮されて入っていて、いわば全人格がわかるのがスマホです。
しかし、スマホは言ってしまえば単なる「小さな画面」。そのため、「出演者たちがスマホを見ているだけ」「スマホ画面が映っているだけ」といった静的な映像になってしまわないことには、とりわけ腐心したと川口さんは語る。
川口氏:MCのベッキーさんには、私が直接、番組の主旨説明に伺いました。「誰かのスマホをのぞき見るというのは、調査報道だ。リアリティのあるドキュメンタリー番組をつくりたいんだ」と。
スタティックな映像にならないためには、発見感、リアル感が大切だと考えていたのですが、初回の放送では、ベッキーさんがその狙いをしっかり受け取って進行してくれました。
アンジャッシュの児嶋さんもその空気をわかってくれて、素な反応をしてくれています。今回は、それ以上にガチリアルな雰囲気になっているんじゃないかと思いますよ。