妊娠すると依願退職を強要 有給消化も許さないワンマンブラック企業の恐怖実態

ブラック企業

2018/08/17 07:30


妊婦
(monkeybusinessimages/iStock/Thinkstock)

「マタハラ」という言葉が、最近よく聞かれる。マタニティハラスメントの略で、妊娠・出産した女性社員に対する会社などでの嫌がらせのことだ。ブラック企業では、マタハラにまつわる被害も少なくない。

GPSを使って残業時間の証拠を自動で記録できるスマホアプリ『残業証拠レコーダー』を開発した日本リーガルネットワーク社には、そんなブラック企業エピソードが寄せられた。



■妊娠すると依願退職に

Aさんが以前勤めていた会社は、有名無実の産休・育休制度があったようだ。

「産休、育休制度はありますが、私が在籍していた当時は取得者はいませんでした。妊娠すると会社を退職する方向に持っていきます。しかも、それを社員側からの依願退職に持っていく徹底ぶり。


退職時に有給休暇を消化することも拒んできます。産休、育休と同じで、休んでいる奴に給与は払えないと言われました。社員の権利よりも、ワンマン社長(会長)の方針が優先されます」


ボーナスが少ないのに加えて、プロパー社員と中途採用との給与格差も大きかったという。

「ボーナスについても満額支給されることはなく、寸志(10万程度)を頂くのみです。当時は出るだけマシと思っていました。井の中の蛙なので、何が普通か教わることはありません。


そんな社員に対して社長は、支給日にわざわざ全員を本社に集めます。慣例でしたが、部署ごとに社長へお礼の挨拶をすることを強要されました。


プロパー社員の給与は低く、中途採用の給与は高いです。私に中途採用の部下はつきましたが、その人間の方が給与が高いと知り、当時は愕然としました」


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■ワンマン社長の情実人事

Aさんが受けたブラックぶりは、マタハラや給与格差にとどまらない。

「仕事面では、人間関係で気に入られた奴は出世が早かったり、仕事内容でも小手先で誤魔化せる奴が評価されます。評価制度の充実を謳っていますが、結局はワンマン社長や、そのワンマン社長に気に入られた誤魔化し人間達が同類を評価します。コツコツやる人間は、労働力を搾取されるだけでした。


転職した途端、評価されることしかありませんでした。今では当時の年収の倍ほどになりますし、役職者です。いかに評価制度が酷いかは、転職してからのほうがハッキリ分かります。課長クラスが売り上げを中抜きしていたことも秘匿し、刑事事件にしていません」

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■弁護士の見解は…
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