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「少年野球における体罰は犯罪」と弁護士が明言 暴行動画の第二弾も公開される

体罰を含む「懲戒権」について弁護士が解説。新たな暴行現場を撮影した動画も公開された。

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少年野球

(画像はTwitterのスクリーンショット)

レイ法律事務所・弁護士の高橋知典です。少年野球チームの監督と見られる男性が、小学生の選手を怒鳴りながら殴りつける動画がYoutubeで公開され、話題を呼んでいます。

さらに、ツイッターでは同じチームと思われる新たな動画もアップされました。男性が子供に右ジャブを飛ばし、子供が殴られてよろめく姿が映っています。

服装が違うことから季節も異なる様子であり、このチーム内では体罰・暴力が日常化していることが伺えます。こうした指導は、法的に許されるのでしょうか。

 

■少年野球の指導者に懲戒権は認められている?

「懲戒権」という言葉があります。 これは、法律上、本来的には親権者に認められているものであり、その懲戒権の中には、他人が行えばいわゆる「体罰」といわれるようなしつけも含まれています。

例えば頭を叩くとか、食事を抜きにするとか、押し入れに閉じ込めるといったことも、度が過ぎれば虐待として違法ですが、「子供のしつけとして相当な範囲で親が行うもの」であれば許されていると考えられます。

しかし、この懲戒権はあくまで「親に認められたもの」であり、当然他人との関係では体罰は許されていません。

 

■学校教育法では明確に禁止

また、子供に教えるための「愛のムチはない」ことを明確にするために、ことさら学校の先生については、学校教育法で体罰が明確に禁止されています。

そうした状況ですから、当然少年野球でも体罰は許されていません。さらに言えば、大会を主催する各野球連盟は、通常体罰の禁止を規則で明文化しています。

このように、体罰は許されないものであると同時に、刑法上の「暴行罪」や「傷害罪」となります。体罰=犯罪と言えるのです。

 

■体罰事件への対処は難しい

高橋知典弁護士

少年野球などの体罰事件では、対処が難しい側面があります。それは、チームの他のメンバーが、監督ら指導者に絶対の信頼をおいている場合に、「自分たちが声を上げることで、逆に他の保護者から責められるのではないか」という不安感です。

いじめにおいても、深刻になるいじめは「チクった」ことでさらにいじめられていき、徐々に被害者は声さえ出せなくなった結果のものが多いのです。

これは集団生活を強いられ逃げ場がない学校生活や、指導者が強い日大のアメフト部のような場所でのハラスメントでよく問題になります。

少年野球は地域性が強いので、学校生活とも重なっていて逃げ場がなく、強豪チームだと指導者の力も強いことがあり、声を上げにくい状況があります。

 

■親はどう対応したらいいのか

では、子供が体罰にあった場合、どのように対処すべきなのでしょうか。まずは親としては、チーム内の保護者に話して、指導者に抗議するのもいいでしょう。しかし、もし話すのが難しいようであれば、外部に相談することをお勧めします。

例えば、チームの参加する連盟や、日本スポーツ協会などのスポーツ・ハラスメントの相談窓口で対応してもらえる可能性があります。また、暴力の動画や診断書といった証拠があるならば、警察に相談することもできるでしょう。

学校の先生に相談するのも、知恵を借りたり、少年野球の出来事が学校生活に響かないように配慮するには効果的だと考えられます。

また、そうした場所に相談してもうまくいかない場合や、復讐が怖いときには、こうしたハラスメント問題を扱える弁護士に相談することも有効。何よりも、子供の気持ちに寄り添いつつ、あきらめないことが大切です。

・合わせて読みたい→少年野球の監督が小学生に鉄拳制裁 現場で撮影された「ひどすぎる体罰動画」が公開

(文/レイ法律事務所高橋知典

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