最終回へと盛り上がる『絶対零度』 上戸彩演じる桜木泉の登場シーンに注目
「絶対零度」シリーズに新たな展開を生み、キャストの魅力にも大きな支持が集まっている
今夜9時より第9話が放送される『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)は、夏クールのドラマの中でも話題作のひとつとして人気を集めている。
最終回へ向けたラストスパートを前に、本作の企画を担当したフジテレビ・稲葉直人氏に話を聞いた。
■出演者の代表作を作りたい
シリーズ作品でありながら主人公が変わるという異色作だが、視聴率も好調で大きな支持を得ている本作。作り手として、反響をどう感じているのだろうか?
「Twitterやネットのコメント欄など見ると、すごく好意的に受け止めていただいて――今までのシリーズとは違う、主演も変わったということで、正直1・2話くらいの頃は『これは「絶対零度」じゃない』というご意見もありましたが、その先に大きく変えたことの意味が届くか? というのが大きな賭けでした。
それが第3話くらいから『これはこれで、おもしろいぞ』という評価に変わっていったので、その辺りから手応えが出てきましたね。でも僕の周りや会社は、おもしろいとか全然そんなこと言ってくれないんで…数字だけですかね、褒められるのは(笑)」
ちょっとボヤいて笑わせつつ、今回は作品としての評価だけでなく、反響で嬉しいポイントもあるという稲葉氏。
「沢村(一樹)さんが役として演じる二面性の部分とか、本田(翼)さんのSキャラやアクションについて、みなさんが新たな魅力を感じていただいているのが、嬉しいですね。
沢村さんは飄々としながら、強い感情を見せるなど『男でも抱かれたいと思う』ほどカッコイイ(笑)ですし、本田さんはモデルのお仕事もされているので、本当はいけないんですが、アザを作りながらも積極的にアクションを取り組んでくださって…。
役者さんたちの魅力をどこまで引き出せるのか――というのが、僕たちの仕事でもあるし、常に出演者の方の『代表作を作りたい』という欲があるので、そこは非常に嬉しいし、手応えがあります」
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■実現できることとリアル感の差
未然に犯罪を防ぐというテーマで、ミハンが違法捜査にも手を染める中、柄本時生が演じる南彦太郎のハッキングは、かなりの活躍を見せている。
「通信傍受法や盗聴・盗撮に関する制限がありますが、海外の捜査ではもう当たり前にできるようになっていることが、日本の警察ではできない。その中でハッキングスキルを持っている南は、スーパーマンになってしまう部分もあるんだけど、前提として“オンライン上にあるもの”にしかアクセスできない縛りを作っています。
そうでないところまでアクセスできるようにしてしまうと、現実味を感じてもらえなくなってしまう――また、海外の顔認証システムを使った捜査では、スタジアムなど何万人もの観客がいる中で、あっという間に犯人を見つけ出せる状況がすでにあります。
実現化されていることなのですが、今の日本のテレビドラマで描くと、SF的で“ありえない”という風に捉えられかねないので、そういう要素は控えめにすることで、リアルに見えるラインから外れないようにしています」
実際にはできることでも、観る側の感覚を考えてドラマを描く――そうした演出もまた視聴者の支持に繋がっている部分がありそう。
「序盤から横山(裕)さんが演じる山内(徹)のセリフで『違法捜査じゃないですか』と言ったり、5話で近藤公園さんが演じた川上(邦明)が指摘したりなど、あくまで違法捜査ということは“わかってやっている”というのを出していますね」
その違法捜査への自覚を繰り返すところも、“実際に警察官が違法捜査するとしたら、こういう葛藤はあるよな”と感じさせる展開のひとつだ。