老人ホームの浴槽で女性が溺れ死亡 事故状況に「どの施設もありうる」と警鐘鳴らす声も
さいたま市緑区の老人ホームの浴槽で溺死した女性。安全管理を怠った職員が逮捕された。
埼玉県さいたま市緑区の有料老人ホーム「イリーゼ浦和大門」で2016年12月、要介護5の女性入所者(当時71)が車いすのまま入浴できる機械浴槽で死亡。
この事故で、安全管理を怠ったとして、今月25日、業務上過失致死の疑いで、当時介護担当職員の男性(30)と介護主任の女性職員(49)が書類送検された。
■「ベルトがない」と指摘も放置
亡くなった女性は病気で上半身の体勢維持が困難であり、職員らが目を離した隙にお湯に浸かって溺死したとされている。
機械浴槽にはもともと腰と胸の位置に安全ベルトが装備されているが、胸のベルトは外されて倉庫にしまってあった。16年7月には業者の点検があり、「ベルトがない」と指摘があったが放置されていたそうだ。
また、入浴介助は通常職員4人で行っていたが、当日は1人が休んだため3人で対応。他の入所者を介護するため、男性らは約5分、女性から目を離したとのこと。
男性元職員は「少しくらいなら大丈夫だと思った」と語り、女性職員は「(職員にベルトを着けるよう)言っても無駄だと思って是正措置を講じなかった」と容疑を認めているという。
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■「どの施設もありうる」と警鐘
安全対策を怠っていたために起きた事故ではあるが、ネットからは「日常茶飯事」「どこの施設でも起こりうる」と介護業界や入所者家族に警鐘を鳴らす声が多くあがった。
・あり得ない事故だけど、どこの施設でも起こりうる明日は我が身な事故かも。そもそも大丈夫だと思ったと思う事が間違いなのだが
・介護ベッドのベッド柵も、通常の車椅子の安全ベルトですらも「抑制になるから」という理由でつけない施設があります
・老人介護施設でのこのような事故には日常的なこと。それが表面化するかしないかは、施設職員の良心にかかっている
・機種によっては無意味な位置にベルトがあったり、利用者の身体上の理由でベルトを出来ないケースもあるんだよね