溶接作業の「マスク禁止」で顔が焼けただれ 危険すぎるブラック工場の悪どい手口

給与が約束と違うだけでなく、効率を過度に重視した恐るべき職場環境が…

2018/11/05 10:30


溶接
(Thossaphol/iStock/Getty Images Plus)

昨今は、ホワイトカラーのブラック労働も問題となっているが、肉体労働の現場でブラックな労務管理が行われると、事故や命の危険も伴いかねない。

GPSを使って残業時間の証拠を自動で記録できるスマホアプリ『残業証拠レコーダー』を開発した日本リーガルネットワーク社には、そんな身の危険が及ぶブラック工場のエピソードが寄せられた。

こちらは、同社が主催した「第1回ブラック企業エピソード大賞」で第3位に選ばれた凄まじい体験談だ。



■マスクなし溶接で顔が焼けただれ

Atusiさんが新卒入社した会社は、給与面が約束と違うだけでなく、労務環境の安全性にも大きな問題があったという。

「当初月収16万ということだったが、実際に支払われていた給料は9.8万円で、引かれた理由を一切教えて貰えなかったです。新人は休憩時間が一切なく、休憩時間中に椅子に座ると、『新人は立て!』と罵声が飛び、トイレ掃除を強制させられていました」


溶接作業には保護マスクが必須だが、それを「つけるな」という指示まで行われていた。

「溶接する時に『作業効率が落ちる』という理由で保護マスクをつけさせて貰えず、顔が溶接光による紫外線によって焼けただれ、何も無いところでチカチカするようになり、夜中に寝てる最中に寝返りを打てば、激痛で目を覚ましてまともに眠れない日々が続きました。


他にもレーザー加工機の前で作業を行っていた時も、『作業効率が落ちる』という理由でマスクをつけさせて貰えず、金属の粉塵で胸が苦しくなり、自衛の為にマスクを自費購入してつけていると、『付けるなと言っただろうが!』と罵声が飛んできました」


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■プレス機で指を潰した同僚も

効率を求め安全性を無視した環境は、Atsusiさん本人ではないが、身近で大きな事故にもつながった。

「さらにプレス機を扱う仕事で『納期が間に合わない』という理由で安全装置を外し、激痛で夜も眠れない状況なので立ったまま意識が飛ぶ環境で仕事を行い、私の先輩がプレス機に指を挟んで潰してしまいました。


本来であれば業務停止になるはずが、労災を使わせずにその事実を隠蔽して、翌日以降も営業を行っていました。


そのような生活を2ヶ月ほど続けた時に、極度の疲労とストレスで道端で倒れてしまい、通行人に声をかけられるまで気を失っていて、『このままでは会社に殺される!』と感じたので逃げるようにして辞めました」

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