溶接作業の「マスク禁止」で顔が焼けただれ 危険すぎるブラック工場の悪どい手口

給与が約束と違うだけでなく、効率を過度に重視した恐るべき職場環境が…

2018/11/05 10:30



■弁護士の見解は…

早野述久弁護士

人生の思い出に残るはずの晴れ舞台が、最悪にブラックな記憶になってしまった今回のケース。この会社の法的な問題点について、鎧橋総合法律事務所の早野述久弁護士に聞いたところ…

早野弁護士:溶接等の危険な作業を行っていたにもかかわらず、全く従業員の安全確保を行っていない、安全確保のための従業員自身の行動すら妨害する信じ難い企業です。


Atsusiさんが勤務されていた企業は、①賃金未払い、②労働時間及び休憩時間についての法令違反、③安全配慮義務違反(安全衛生法20条・21条等)、④労災事故の報告懈怠(労災かくし)の4点で問題があったと言えるでしょう。


と憤る。問題点をひとつひとつ明らかにしてみると…

①賃金未払いの点について


早野弁護士:Atusiさんの賃金は当初月収16万円とのことでしたが、実際には実際に支払われていた給料は9.8万円であり、差額分が未払いとなっている可能性があります。


労働契約によって決められた賃金を支払わないことは、労働基準法24違反(刑罰あり)のほか、民法415条違反などが成立します。


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■休憩時間の過ごし方は干渉できない

休憩中に指図したことの問題点は、何だろうか。

②労働時間及び休憩時間についての法令違反


早野弁護士:企業は労働者に法律上、労働時間が一定時間を超える場合は、休憩を与える義務があります(労働基準法34条)。Atusiさんの場合は、勤務時間が何時間であったかの明示はありません。


しかし、一般的な勤務時間を8時間として想定すると、最低でも休憩時間を1時間与えなければなりません。Atusiさんの勤務されていた企業では、新人は休憩時間が一切ないとのことですので、休憩を与えないという点で違法となります。


加えて、休憩を与える場合には、労働者は労働から完全に開放しなければなりません(「休憩時間自由利用の原則」)。


この点、『休憩時間中に椅子に座ると、「新人は立て!」と罵声が飛』ぶとの事実関係から、なお、企業の指揮下にあり労働から完全に開放されたとは評価できないため、上記と同様に違法性が高いと言えるでしょう。

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■「マスク禁止」は極めて悪質
ブラック企業弁護士事故残業証拠レコーダー
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