入管法改正の強引な国会運営に野党反発 失踪者の時給は500円台が最多と判明
法務省が提出した資料の誤りが認められたが、強引な審議に疑問の声が上がっている。
■入管が見逃していた実態
野党は、失踪した技能実習生から2017年に聞き取った2,870人分の個別の調査結果(個票)の公表を求めているが、与党側は「引き続き検討する」としたまま応じていない。
失踪した技能実習生2,870人分の個票は19日の法務委理事懇談会で公開されたが、閲覧が許されたのは法務委の理事のみ。
撮影やコピーは許されず、野党理事らは手書きで写したが、書き写した20人のうち17人が最低賃金割れを示す書類だったにもかかわらず、失踪動機を尋ねる選択肢で「最低賃金以下」にチェックしてあるのはゼロであるなど、入国管理局は受け入れ側の不正を把握しながらそれを見逃していた実態が明らかになっている。
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■「立法府は瀕死」
野党筆頭理事の山尾志桜里議員は、理事懇で委員長の職権により、
①21日の入管法改正案の趣旨説明と質疑を予定されていた一般質疑をやらずに9時から17時まで行うこと
②定例日以外の22日には外から参考人を呼ばなければならないにもかかわらず法務大臣の日程がたまたま取れないからという理由でわずか2日前に参考人質疑を行うこと
が決められたと報告。こうした事態に山尾氏は、
「立法府は瀕死になったと思っている。偽のデータで空っぽの法案を作り上げ、国会の審議すら空っぽの状態で、法案の成立ありき、お尻(質疑終局の日程)ありきで突き進んでくる。
私たちは瀕死の立法府の中で、それでも、場合によっては質問等を通じて国民の皆さんに本当にこの国の根幹にかかわる問題が、大変な状況で成立に向かって突き進んでいることをいかに伝えることができるかを検討したい」
と述べた。