問題だらけの水道民営化 パリやイギリスではすでに失敗した政策がなぜ進められるのか

海外では失敗に終わっている水道の民営化。強行に進める安倍政権に対して、野党は一斉に反発している。

2018/12/06 12:00


 

■野党は「水は命そのもの」と反発

福山哲郎

水道法改正案をめぐり、「内閣府の民間資金等活用事業推進室に民間の水道会社からの出向職員が勤務し、法案作成に関わっているのではないか」との指摘がある。立憲民主党の福山哲郎幹事長は、4日の定例会見で記者からの質問に次のように答えた。

「民間の事業者が、とくに利害関係者がもし法案の策定、意思決定に関わっていたとしたら大問題だと考える。またそのような疑義を持たれるような状況で、この法案が提出されているとしたらそれも問題だと思う。政府は疑義がないなら疑義がないと、しっかり説明する必要がある。


また、世界中には180件にも及ぶ民営化失敗の、再公営化の事例があるにもかかわらず、厚生労働省が3例しか、それも数年前の調査に基づく事例しか調べていないのは甚だ立法事実に反する法案の策定であり、非常に遺憾に思う。


水道、水はライフラインそのものだ。このことを利益至上主義だけで運営をすることが政府としてのやるべき仕事なのか、非常に疑問を思わざるを得ない。水は命そのものだ。そのことについては謙虚に受け止めてもらいたい」


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■枝野代表、玉木代表も批判

枝野幸男

11月29日の定例会見で立憲民主党の枝野幸男代表は水道法改正案について、

「今でも民間が参入しようと思えば参入できる制度になっているが、新しい法案がもしこのまま成立するとより入って来やすくなる状況だ。実際にヨーロッパ諸国で民営化した国はほとんど全てと言っていいくらい大失敗をしているという、周回遅れのことをやっている」


と政府の対応を批判した。

玉木雄一郎

また、国民民主党の玉木雄一郎代表は11月28日の定例会見で

「水道法についても、これも生活に密着する話。外国人の話も、そして漁業の、浜の話も、そしてこの水道法についても、生活に身近な話が国民に対する十分な説明なくどんどんどんどん進んでいくことについては問題です。


とくにこの水道法は、例えばフランスなどではかえって水道料金が上がったり、また再び公営に戻したりということもありますので、国民にとっての大切な水をおかしな形で民間に売り渡すようなことがないようにしっかりとチェックしていかなければなりません」



と述べている。

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