田代まさし氏、薬物依存と回復について笑いあふれる講演 「シャブ山シャブ子はない」と明かす

元ラッツアンドスターのメンバーでバラエティ番組でも活躍した田代まさし氏。覚せい剤で3度の逮捕を経て4年前に出所。現在は講演の機会も多い。

2018/12/10 10:00

田代まさし

8日、東京・新大久保の日本福音ルーテル東京教会で、元タレントの田代まさし氏、前千葉県知事の堂本暁子氏らによる講演会が開かれた。

この企画は、新宿に拠点を置く3つの市民ファンド(認定NPO法人 高木仁三郎市民科学基金・公益社団法人 難民起業サポートファンド・認定NPO法人 まちぽっと)が主催したもの。


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■「田代流」で薬物からの回復を語る

「『薬物依存からの回復』と寄り添い、歩く」と題された講演には、まずは田代氏が登場。この教会は、新大久保で育った田代氏が幼稚園に通った場所でもある。冒頭から「ひろし風のネタ」を披露し、

「沖縄には『ドラッグマーシー』というドラッグストアがあります。いちいちその写真を僕に送りつけるのを止めてください」


などと観客を笑わせた。田代氏は今、薬物依存からの回復と社会復帰をサポートする民間組織『日本ダルク』のメンバーとして依存者サポート活動を行っており、講演を依頼されることも数多い。

堅苦しく話すのではなく、芸能界で鍛えた笑いや落ちを盛り込む「田代流」を貫く。「回復を語るんでも、いろんなスタイルがあっていい。全員を納得させようと思ってない」という。


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■薬物依存は「病気」

田代まさし

薬物依存からの回復は「平坦な道ではない」と田代氏。薬物依存は「病気」だが、世間からは「意志が弱いだけ」と言われ、病気であることが伝わりづらいという。

「最初の1回目、こんなに止められない病気になると思って使うヤツはいない。『やめられる』と思って始める。俺も若い頃シンナーを吸ってたけど止められたので、覚醒剤も止められると思っていた」


しかし、出所して4年が経つ今でも、「正直な話、まだ薬をやりたい気持ちもある」と告白。

「ダルクと関わる前は、正直に言うことができず、『もう二度とやりません』と言っていた。今は、『一生止められるかはわからないが、今日一日薬物をやらない努力は怠らない』と伝えている」


薬物依存の恐ろしさと、隠さずに向き合うことができるようになった田代氏。スイッチが入ってしまう瞬間はたくさんあるといい、「『無断駐車お断り』という看板を見ると、『注射は無断でやらないと捕まるだろ』と思ったり…」と、会場を沸かせた。

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