小林よしのり氏スタッフと立憲民主党がバトル? 「アイヌヘイト論争」をめぐって
「アイヌ利権」「アイヌヘイト」といった言説に「小林よしのり氏が関係している」という記事を立憲民主党がRTしたことで波紋が拡がっている。
『おぼっちゃまくん』や社会派漫画『ゴーマニズム宣言』の著者で漫画家の小林よしのり氏。
そのスタッフで長いこと小林氏を支えてきている時浦兼氏が、8日、立憲民主党の広報部長・坂上隆司氏に公開質問状と抗議文を送り、それをブログで公開。ネットが騒然となっている。
■立憲民主党の「生みの親」
小林氏といえば、昨年の総選挙で希望の党ができたとき、辻元清美衆院議員から相談を受け、「枝野幸男を代表にする新党をつくるべきだ」と進言。それが通って立憲民主党ができあがった。
まさに生みの親であり、総選挙では応援団を買って出て、大聴衆の前で応援演説も行った。枝野幸男代表とは薬害エイズが問題になっていた1995年以来、親交があり、枝野氏とも立憲民主党とも懇意にしてきたため、突然の抗議文は驚きをもって迎えられた。
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■小林氏についてのデマ記事を立憲が拡散
時浦氏が立憲民主党に送った抗議文を一部引用しよう。
「すでにご存知のことと思いますが、貴党公式ツイッターアカウントは11月29日、文筆家・古谷経衡氏のネット記事『ネットを徘徊する怪物「差別的デマ」は、いま誰を餌食にしているのか』(「現代ビジネス」)を引用ツイートし、これを11月30日、福山哲郎幹事長もリツイートして拡散させました。
だがこの記事には、小林よしのりに関して極めて重大なデマが書かれています。記事では、2014年〜2015年頃に最盛期を迎えたネット右翼によるアイヌに対するヘイト運動について、『この運動の最前線に立ったのは、漫画家の小林よしのりであった』と断定しています。
しかし、小林がアイヌについて著作を行ったのは2008年から09年にかけてで、しかもその内容にヘイトを煽るような要素もなく、2014〜15年頃のヘイト運動の『最前線に立った』などという事実は一切ありません。
このようなデマで特定個人を『差別主義運動の先導者』として誹謗中傷する記事を、公党の公式ツイッターが取り上げ、幹事長がリツイートしたことは、大問題であると考えます。
立憲民主党は、辻元清美国対委員長がネットで根も葉もないデマを飛ばされ続けるなど、デマの被害に遭う場面が度々見られ、私共は同情しておりました。
特に小林は、辻元氏より相談され、デマは放置してはいけない、必ず反論して潰していかなければならないとアドバイスしたこともあります。そんな立憲民主党が、このような極めて悪質なデマの拡散に加担したことには、憤りを禁じ得ません」