小林よしのり氏スタッフと立憲民主党がバトル? 「アイヌヘイト論争」をめぐって
「アイヌ利権」「アイヌヘイト」といった言説に「小林よしのり氏が関係している」という記事を立憲民主党がRTしたことで波紋が拡がっている。
■時系列にも誤り
さらに、小林氏サイドを最も怒らせたのが、「(アイヌ攻撃が)おおよそ2014年〜2015年にネット右翼界で最盛期を迎えた」「この運動の最前衛に立ったのは、漫画家の小林よしのりであった」という記述だ。
小林氏の著作を読み返したが、同氏がアイヌを論じたのは2008〜2009年。2014年〜2015年にはアイヌ問題に言及していない。
精神科医の香山リカ氏とアイヌを巡って月刊『創』で論争したくらいだ。小林氏が2014〜2015年にアイヌヘイトの最前線に立ったと根拠を一切示さず書くのは、半ば妄想に近い。
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■火に油を注いだ福山幹事長の回答
よしりんスタッフ・時浦氏が怒ったのは、立憲民主党の公式Twitterアカウントが、古谷経衡氏の記事を紹介した上に、立憲民主党の福山幹事長がリツイートしたからだ。
立憲民主党の応援団で指南役たる小林よしのり氏を攻撃する記事をTwitterで紹介するなど通常ならばあり得ない。そこで筆者は、4日の定例会見で、福山幹事長に問い質したところ、福山氏の答えはこうだった。
「公式Twitterでリツイート、これまでもいろいろな記事についてさせていただいています。それについては、全て賛同しているとか、全て事実だとかどうかという確認をしているわけではありません。
一方で、多様な論稿を紹介させていただくことで、いろんな考え、いろんなものがあるんだということを公式Twitter上でご紹介をさせていただいています。
ご指摘は承知しています。記事の内容に虚偽があるというご指摘については、受け止めさせていただきますが、記事の内容については逆に、執筆者の方に当たっていただければと考えます」
つまり、小林よしのり氏に対する虚偽の記事を立憲公式アカウントや福山幹事長がリツイートしたことを認めたのだ。なのに、立憲も福山氏もツイート・リツイートを放置したまま。小林サイドが看過できるわけがなかろう。
小林氏の事務所が抗議をしたことで果たして展開はどうなるのか。無視し続けるのか、謝罪してお詫び文を出すのか。前者の場合であれば、小林氏が立憲民主党から離れることは確実である。
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(取材・文/France10・及川健二)