「恋人に時間を割くから仕事できない!」 プライベートまで報告を義務づける恐怖のブラック企業
オンとオフのけじめはきっちりつけるのが、昨今の働き方。しかし、ブラック企業の中には私生活に土足で踏み込んでくる会社も…
■弁護士の見解は
「恋人と別れさせられた社員」までいるという、このブラック企業。法的な問題は、どこにあるのだろうか。鎧橋綜合法律事務所の早野述久弁護士に聞いてみた。
早野弁護士:H・Kさんの会社では、公私の区別なく働くことを求める空気感の強い会社であったようです。問題点としては、長時間の労働が常態化や、プライベートの報告義務を課すといった点が挙げられます。
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■長時間労働と未払いの残業代
早野弁護士:原則として、会社は1日8時間、週に40時間を超過して、労働者を勤務させることはできません(労基法32条)。
いわゆる36協定を締結している場合に限り、上記を超えて勤務させることができますが、H・Kさんの職場において、36協定が結ばれていたかどうかは明らかではありません。
仮に36協定が結ばれていなかった場合、会社は労基法32条違反により、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられる可能性があります(労基法119条1号)。
また、1日15時間に及ぶ勤務があったにもかかわらず、「残業代ももちろん出ません」とのことですので、残業代の未払いについて労基法37条違反が成立する可能性があります。
会社が労基法37条に違反した場合には、前述の労基法32条違反と同様に刑事罰が科される可能性があります。
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■プライベートへの過干渉
早野弁護士:H・Kさんの会社では、パワハラの存在も疑われます。パワハラとは、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的な苦痛を与えるような行為、または職場環境を悪化させる行為を指します。
上司が休日などの、会社の指揮命令権の及ばない日における私的な活動に干渉することは、業務の適正な範囲を超過するものです。
また、H・Kさんのお話しによると、恋人がいることがバレて別れることになった先輩がいるなど、プライバシー侵害による精神的苦痛を与え、かつ職場環境を悪化させている可能性があります。
また、「恋人に時間を割くから、お前は仕事ができないと、暗に言われた」とのことで、こうしたパワハラに該当しうる言動が日常的に行われていることが推察されることから、違法と評価される可能性が高いでしょう(民法709条)。
なお、日本リーガルネットワークは、今月31日まで、新たに「ブラック企業エピソード」を募集している。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力/日本リーガルネットワーク)