匿名ヘイトスピーチ発信者に侮辱罪を適用 量刑に「軽すぎる」と疑問の声も

昨年、ひとりの在日コリアンの男子中学生の心を傷つけた、匿名での書き込み。犯人を見つけ出したが「刑罰が軽すぎる」との声が寄せられている。

2019/02/02 07:30

ヘイトスピーチ
(Sebastian Gorczowski/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

昨年、ひとりの在日コリアンの男子中学生の心を傷つけた、匿名で誹謗中傷を繰り返した書き込み。初となる匿名書き込みでの「侮辱罪」適用が話題になっている。しかし、その詳細には「刑罰が軽すぎる」との声も見られている。



 

■イベントに参加しただけで…

報道によると昨年1月、ネットの掲示板で川崎市在住の在日コリアンの男子中学生は自身に対しての書き込みを見つけたそうだ。そこには、「見た目チョン、脳みそもチョン」「ヒトモドキ」など、酷く罵る言葉が大量に並べ書き込まれていたという。

気になるのは、なぜ彼がこんな目に遭ったのか…ということだ。当時、地元の音楽イベントに参加したことがきっかけ…というよりも、ただそれだけだ。

このイベント活動がネット記事で公開されるやいなや、匿名で書き込める掲示板などのサイトに、人種差別な発言など誹謗中傷する投稿が数万件にものぼったという。


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■匿名発信者を特定

翌2月、「人が人に対してかける言葉とは思えぬほど、醜悪かつ差別的なもの」「何万件ものヘイトが、未成年に毎日のように浴びせられる」と怒りを露わにし、立ち上がったのが、相談を受けた神奈川県弁護士会だ。

2月から5月、弁護団は多くの投稿を確認した上で、特に悪質な人種差別だと判断したブログに絞り、ブログ管理会社やプロバイダーから情報を入手した。そして「日記のつもりで書いた」と供述する発信者は、大分市在住の66歳の男性であることが判明したそうだ。

7月、弁護団は川崎署に「侮辱容疑」で告訴してから、書類送検、略式起訴、と経て12月、川崎簡易裁判所は男に対して「侮辱罪」として、科料9,000円の略式命令を出した。

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■ヘイトスピーチに「侮辱罪」は初
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