育児疲れで追い詰められた経験は… 30代以下は妻だけでなく夫も苦悩
育児のストレスから追い詰められ、虐待や殺人などに至ってしまうニュースも時おり報じられる。
人の命を預かり、一人前に成長させる子育ては、人生の一大事だ。子供がいなかった頃とは、時間の使い方も優先順位も激変し、すべてが子供中心になることを、子育て経験者ならほとんどが体験しているだろう。
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■拡がる「育児疲れ」
かつては、親族や親戚、地域社会などのコミュニティが子育ての支えになることもあったが、今日では孤立している家族も少なくなく、また共働き世帯が一般的になったことで、男女とも仕事と子育ての両立を求められるようになった。
こうした状況でよく耳にするのが「育児疲れ」という言葉。時には、ストレスから子供の命が奪われる結果になるなど、痛ましい報道もしばしば見られる。実際、どれくらいの人が育児疲れに追い込まれているのだろうか。
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■2割以上が追い詰められた経験あり
しらべぇ編集部が、全国20〜60代の子供がいる男女685名を対象に調査したところ、全体の22.0%が「育児に疲れて追い詰められたことがある」と回答した。
男性は9.8%だが、女性はじつに32.4%が「追い詰められた経験あり」と回答。男性の子育てへの関与の薄さが伺えるとともに、母親の3人に1人が子育てによって追い詰められてしまう社会状況は、どう考えても異常だ。
不幸中の幸いで痛ましい事件に至らなかったとしても、その予備軍は膨大に存在すると見られる。
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■子育て世代に変化の兆しも
一方、このデータを男女年代別で見ると、興味深い傾向が判明した。
苦悩した記憶が鮮明なためか、はたまた時代の変化か、育児疲れで追い詰められたと感じる人は、20〜40代に目立つ。もっとも多いのは30代女性で、51.7%と過半数に及んだ。
男性は、30代を境にまったく状況が異なる。40代以上の男性は、子育てに積極的に関与して妻とともに悩んだ人が多くないのかもしれない。しかし、20〜30代では男性も女性同様、精神的に追い詰められていることがわかる。
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■働き方で違いは…
女性の場合、共働きと専業主婦、どちらの場合もそれぞれ大変さがある。職場復帰をにらみながら「保活」に励み、仕事と育児の両立が求められるワーキングマザー。コミュニケーションの相手が限られ、孤立しがちな専業主婦。
そこで今回の調査結果を女性に絞って、働き方別に見てみると…
差は大きくないが、やや有職女性のほうが追い詰められた割合が高い。
国が少子化問題を社会課題として取り組むとしたら、何よりもまず苦悩している子育て世帯にきめ細やかな対策を行い、子育て中の人たちが大切にされる空気をつくらなければ、「子供をつくるのはリスク」と敬遠されることにもなりかねないだろう。
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(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
対象:全国20代~60代の子供がいる男女685名 (有効回答数)