お年寄りは敬うべき? 日本の伝統的な価値観に若い世代からは疑問も
急速に高齢化が進み、お年寄りが増える世の中で、「どのくらいの年齢から高齢者なのか」という問題も。
いつの時代も、「現在」があるのは、過去に懸命に土台作りをしてきた先達がいるから。高齢者を敬う文化は世界中にあるが、日本ではとくに大切な価値観とされてきた。
一方で、少子化が進む世代の若者たちは少ない現役世代で大量の受給者を支える年金問題などを抱えながらも、働きづめの毎日を送っているだろう。
「人生の先輩を敬うべき」と頭ではわかっていても、複雑な気持ちを抱きながら生活している人も少なくないはず。
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■4割が疑問
そこで、しらべぇ編集部は、全国20〜60代の男女1,589名を対象に調査を実施。その結果、全体の39.3%が「お年寄りは敬うべきという価値観に疑問を抱いている」と回答した。
なお、男性では39.0%、女性では39.5%とほぼ男女差は見られない。
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■働き世代に目立つ傾向
さらに、この調査結果を男女年代別で見てみると…
男女とも30代がもっとも疑問を抱いているという興味深い結果となった。小さな子供を抱える人も多い子育て世代の中核であり、「限られた社会福祉予算を高齢者に使うのか、子供たちに使うのか」というジレンマにもリアルに直面している可能性が高い。
たとえば、電車やバスの優先席の使い方ひとつとっても、「身近な世代である妊婦さんとお年寄り、どちらの譲るべきか」は、簡単に答えが出せる問題ではないのかもしれない。
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■北海道・北陸はお年寄りに厳しい?
「お年寄りは敬うべきという価値観に疑問を抱いている」と回答した割合を、エリア別で見てみると…
北海道(47.4%)・北陸(46.4%)ともに、半数近くの人が疑問を抱いている様子。一方で一番割合の低い中国地方は31.1%と平均を大きく下回った。
60代でいったん仕事をリタイアしても、元気な人はまだまだ社会で活躍する人生百年時代。単に「お年寄りだから」「若者だから」と年齢で判断するのではなく、常日頃からお互いを思いやる精神を大切にしたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代の男女1,589名(有効回答数)