拡散・炎上した「虐待状態のワンコがいます」ツイート 投稿者が語った真実とは

ある人のツイートが拡散され、意見が飛び交った「犬に口輪」問題。ツイッター投稿者に、ツイートするまでの経緯と現在の状況を聞いた。

2019/03/31 07:30



■「虐待になってしまっている」と説明

飼い主は80歳近い女性だが、夫が亡くなったことをきっかけに、近くに住む息子さんが犬をプレゼントしたそう。女性は、「ちゃんと散歩をしてエサをあげていれば問題ないだろう」という認識だったようだ。

「犬は口で呼吸するので、痒いところもかけないし、毛づくろいも出来ない。24時間口輪をするということは、犬にとっては相当なストレスだし、病気の原因にもなってしまう。


飼い主さん自身が意図的に虐待しているという意識はないものの、結果的には虐待になってしまっている、ということを説明さしあげました。ただ、言葉には出さないものの『余計なお世話』といった対応で聞く耳を持ってくれませんでした」


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■行政や動物保護団体が説得

その後、犬を連れて集まる近隣の公園で、知り合いに経緯を説明して相談。知り合いの紹介を経て、動物愛護の方を含めた有志4名で保護をする前提で動くことになったという。

そして、動物行政を行っている施設の方が飼育指導や交渉を2回、動物保護団体の代表の方が直々に2回、「手放してください」と保護を前提に説得に行ったそうだ。

「『保護を前提』というのは、飼い主さんが聞く耳を持たないこと、そして80歳近くの一人暮らしの方が1歳のワンちゃんを最後まで面倒を見ることが出来ないので、飼い主さんのことを考えても保護した方がいいだろう、ということです。


この交渉により、飼い主さんのご了承を経て平和的に解決し、無事に里親さんに引渡しが完了して、犬は新しい生活をはじめました」


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■「里親募集」に批判意見も

この経緯の中で投稿者は、件の文章をツイートした。ハッシュタグの中に「里親募集」と書かれていることに、批判的なコメントもあったという。投稿後、間もなくツイートを削除したことも物議を醸した要因だが、なぜ削除したのだろうか。

「飼育状況などの詳細も明記していたのですが、口輪=虐待という情報だけがひとり歩きしてしまったことに危惧したこと、そして投稿後すぐに里親が見つかったので、里親さんへの悪影響が出ないようにする目的で削除してしまいました。


成犬となるとなかなか里親が見つからないことも多く、動物愛護団体の方とも話し合った上で、飼い主さんの了承なしに「#里親募集」と記載しました。


先に里親を募集するということは珍しいことではないようですが、SNSという手段を使って表沙汰にしたことに、批判的な意見もいただきました。中途半端な状態でその後の経緯を報告していなかったことは、こちらの責任も感じています」


温度が高くなることで、四六時中口輪をする行為は熱中症になりやすく、心身ともに弱っていただろう。今回の件は、不幸中の幸いだったのではないだろうか。

よくも悪くも大きな影響力を持つSNS。投稿者も受け手も「部分的に切り取られた情報が拡散されることもある」と認識することは必要だろう。

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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳

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