「容疑者宅にテレビとゲーム機」 川崎無差別殺傷事件めぐる報道の問題点とは

川崎市登戸で発生した無差別殺傷事件。容疑者宅に「テレビとゲーム機」があったという報道に、ネット上では疑問の声が相次いでいる。

2019/05/31 14:30


 

■「ひきこもり」報道に警鐘も

同様に、一部報道では「容疑者がひきこもり状態にあった」との言及も見られる。これに対しては、一般社団法人「ひきこもりUX会議」が、声明文を発表し、メディアによる報道が、ひきこもりの人々への偏見を助長しかねないことを指摘した。その中で、

「川崎市による会見では『長期間仕事に就かず、ひきこもり傾向にあった』『同居の親族からおこづかいをもらっていた』『市の精神保健福祉センターに複数回相談があった』との内容がありました。


これらが事実であったとしても、ひきこもっていたことと殺傷事件を起こしたことを憶測や先入観で関連付ける報道がなされていることに強い危惧を感じています。


『ひきこもるような人間だから事件を起こした』とも受け取れるような報道は、無関係のひきこもり当事者を深く傷つけ、誤解と偏見を助長するものだからです」


と、「ひきこもり=犯罪者予備軍」というイメージへの懸念を表明している。


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■凶悪犯の「アニメ好き」報道に違和感?

ちなみに、しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,500名に「容疑者が『アニメ好き』と報じられること」について調査したところ、4割以上が「違和感がある」と回答。とくに20代は過半数が該当した。

今回はアニメではなくゲームだったが、「ただの娯楽」として楽しんでいる人からすれば、犯罪とそれらを結びつけたり、具体的な関連性には触れずとも意図的に取り上げる報道に、違和感を感じてしまうことも多いようだ。

ひきこもりに関しては、専門の一般社団法人が危惧を表明したが、「ゲーム好き」についてはまだ特段の動きは見られない。重大事件だからこそ、メディアもなにをどのように発信していくのか、より慎重に判断していくべきではないだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2014年9月19日(金)~9月22日(月)
対象:全国20代~60代の男女計1500名(有効回答数)

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