「痴漢をした経験者が9.7%」は本当か? 調査会社と性暴力被害の専門家に聞いた

痴漢加害者の割合について調査したアンケートデータが議論を呼んだ。インターネット調査の正確性について調査会社に取材。

2019/06/12 09:00


 

■同時に複数の質問をする調査は正確?

ネットの声の中には「しらべぇの調査には、671名を対象に実施した調査が多い。嘘なのではないか」というものもあった。

回答者数が同一の調査結果が複数存在する理由は、しらべぇ編集部では、複数の調査を男女合わせて1,300〜1,800名程度の有効回答数で同時に実施しているためだ。この点についてもモニタス社に確認したところ…

「アンケートは意識データであるため、どのような聴取法でも、質問形式、質問文や選択肢の表現、項目の数、聴取順序が変われば、異なる結果が出る可能性はあります。


複数の質問を同時に聞くマトリクス形式には、一覧性をもって見せて聴取できるというメリットがあり、郵送調査、ネットリサーチともによく使われる手法です」


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■調査結果を警察に申告する必要は?

一方で、「電車内で意図的に痴漢をしたことがある」と回答した、いわば犯罪経験者の可能性がある人たちについて、調査会社が警察に申告する必要はないのだろうか。

「弁護士にも確認したところ、調査を実施した会社にこうした報告義務はありません。


かえって、犯罪の経歴に当たり得る『要配慮個人情報』とも言い得る個人情報を、利用目的(今回ではニュースサイトしらべぇにおける報道)に反して使用すると、個人情報の保護に関する法律に反して違法になるため、警察等に報告することはできません」

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