「痴漢をした経験者が9.7%」は本当か? 調査会社と性暴力被害の専門家に聞いた

痴漢加害者の割合について調査したアンケートデータが議論を呼んだ。インターネット調査の正確性について調査会社に取材。

2019/06/12 09:00

痴漢

ニュースサイトしらべぇが、5月31日に配信した「赤羽駅で痴漢男が激走 女子高生らへの『意外なアシスト』に注目集まる」という記事が、大きな反響を呼んだ。原因は、記事後半で紹介した「電車内で意図的に痴漢をしたことがある?」という調査結果だ。


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■1割弱の男性が「経験アリ」と回答

この調査は、2017年6月2日〜5日にかけて、全国20〜60代の男性671名(モニタス社が運営するアンケートサイト「Qzoo」モニター)を対象に実施したもの。2017年時点でしらべぇは、同社の全モニターの中から属性情報などを調査した約4.4万人を対象に調査を実施していた。

「電車内で意図的に痴漢をしたことがある」という設問に対して、「あてはまる」と答えた割合が全体の9.7%。20代:13.5%、30代:12.0%、40代:9.0%、50代:6.0%、60代:8.0%という結果となった。

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これに対して、「1割弱が痴漢しているのは多すぎる」「少なすぎる」という多寡の問題に加えて、「インターネットのアンケート調査など信用できない」という声も目立った。


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■「671サンプル/9.7%」での誤差は?

そこで、まずサンプル数(回答数)と誤差の関係について、編集部が調査を依頼したモニタス社に聞いた。

「統計的な視点から、サンプリングすれば誤差は生じます。当然サンプル数が多いほど誤差は小さくなり、理想的には限りなく人口に近い回答を得たほうが誤差のないデータが取得できます。


ただし、全体で400サンプル集めれば誤差は5%未満になるため、サンプル数の設定としてはひとつの目安となります」


では、今回のデータにおける誤差率は、どの程度と見込まれるのだろうか。「標本誤差」の計算式は、以下のようになるという。

標本誤差
(「1.96」は信頼区間95%時の係数)

「671サンプル集めた場合における、『9.7%』という回答の誤差を考慮すると、今回の調査結果は『95%の確率で約7.5%〜約11.9%内にある』ということになります」

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