花火大会の中止が全国で相次ぐ 「花火を守り続ける方法」とは?
全国の花火大会で一体何が起きているのか…
■キャパに見合う会場がない…
岡山市では「おかやま桃太郎まつり」の花火大会の今年度の中止が決まった。予算に関して全く問題なかったというが、この大会の大きな問題点は会場。
高低差がある部分が多いため、観客が将棋倒しになる危険性がある。しかも、その場所に毎年30万~33万人が集まるため、「観客の安全を充分に確保できない」と実行委員会が判断した。
市の担当者は、「来年以降会場を変えるか、警備員を確保して同じ場所で開催可能かを検討しているところ」と話す。
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■有料化の動きも…
花火大会関係者によると、大会での打ち上げが5000発で、約1時間程度の開催時間の場合、一般的に総額は3000万程度の費用がかかるという。新潟県長岡市の「長岡花火」は、1800年代から続く伝統を観客席を有料化することで守っている。
長岡市によると、財政削減を見込んで、花火大会を実施するための第三セクターによる財団を設立。ここに市の職員が出向し、業務にあたっているため、長岡花火への市からの補助金は、運営スタッフの人件費のみ。観客席のチケット売り上げや寄付などでなんとか花火大会を運営している。
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■クラウドファンディングで運営
ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクによると、ガバメントクラウドファンディング(ふるさと納税制度を利用したクラウドファンディング)の花火大会関連プロジェクトは、寄附受付終了分も含めると計14あったという。
現在も埼玉県鴻巣市と山梨県市川三郷町で募集を受け付けている。
花火大会関係者は、「花火大会という日本の文化を長く継承していくためには、観客のマナー向上が欠かせない」と話す。というのも、会場周辺での違法駐車、喧嘩、警備員やスタッフの指示を聞かないなどの問題が、現場で起こっているという。
観客のマナーの向上が進めば、余計な警備員やスタッフを配置せずにすみ、予算の削減につながる。日本の歴史ある貴重な文化といえる、花火大会。この文化を守り続けるためには、観客一人ひとりの自覚が大切だ。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)