「鳥人間コンテスト」で救急搬送 原因となった低体温症への対処法とは…

鳥人間コンテストで思わぬ異変が…

2019/07/28 05:15


飛行機
(Leonid Eremeychuk/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

熱帯低気圧に変わった台風6号が各地に影響をもたらした。東京都立川市の花火大会が中止になるなど、各地のイベントが中止になる事態に。そんな中、毎年恒例のイベントで異変が起きた。しらべぇ取材班は消防などに詳細を聞いた。



■2名が低体温に…

彦根市消防本部によると、27日午前11時31分に、滋賀県彦根市の琵琶湖の松原水泳場で開催されていた「鳥人間コンテスト2019」の会場で、「学生2名が会場で低体温になって寒気を訴えている」という119番通報が入った。

救急車2台が現場に駆けつけた結果、1名が搬送辞退、もう1名を市内の病院に救急搬送したという。命に別状はない。

彦根署によると、台風6号の影響で午前10時半に大会の中断が決まり、男性らは撤収作業をしていた。長時間風雨にさらされたのが原因とみられる。

鳥人間コンテストは、自作人力飛行機による飛行距離や飛行時間を競う大会で、今年で42回目を数える。


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■低体温症の原因とは…

正月に行われている箱根駅伝では、特に山登りの5区で、選手が低体温症でフラフラになってゴールしたり、レースを棄権する事態が発生。

テルモ体温研究所によると、低体温症には2種類あるという。「偶発性低体温症」は原因が事故や不慮の事態にある場合。「誘発性低体温症」は心臓や脳の手術を安全に実施するため、わざわざ患者の体を冷却することをいうそう。

偶発性低体温症は、最近では2011年のまだ寒い3月11日に起こった東日本大震災の津波で、体がぬれた人たちの間で多く起こり、たくさんの尊い人命が失われた。

山での遭難でもよく起こる。いずれも寒さと風で体熱が奪われた結果、体温が異常に低下することによって起こるという。


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■低体温症の対処法

寒くて震える症状の出る人がいたら、すみやかに救援要請をする。近くに人がいれば迷わず協力を頼む。そして、

・風・雪・雨を避ける。できれば屋内に収容する。


・湿った着衣・靴下・手袋を暖かく乾燥したものに取り替える。


・毛布や寝袋などで患者を覆う(できれば前もって暖める)


・脇の下やそけい部に湯たんぽなどをあてて体の深部の内臓をゆっくり温める。


といった処置が必要。そして、体温が35~33℃の低体温はどんな加温法をしてもよく回復するそう。患者と一緒に添い寝をするのも有効で、炭水化物を含んだ温かい飲み物を、すこしずつ、ゆっくりと与える。また、くず湯やお汁粉、コーンスープなどが最適だという。

思わぬトラブルにパニックになることなく、適切な対処を心がけたい。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

箱根駅伝滋賀県琵琶湖
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