伊勢市・焼き肉で21人が食中毒 原因・ノロウイルスの予防法とは?
三重県の焼肉店で集団食中毒発生 その原因とは…
「ノロウイルス」での食中毒。冬に発生しやすいが今回は、夏に起きた。その原因とはいったい何なのか。しらべぇ取材班が、専門機関を取材したところ意外な落とし穴が見えてきた。
■24名中21名が食中毒を発症
三重県庁によると、20日、21日に伊勢市内の焼肉店を利用した、合計5グループの24名中21名が下痢、嘔吐等の食中毒様症状を呈していることが判明した。
伊勢保健所は、複数の有症者や調理従事者の便、及び施設の拭き取り検査からノロウイルスが検出されたこと、また有症者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、当該焼肉店が提供した食事が原因の食中毒と断定。
そして、焼肉店を30日付けで営業禁止処分とした。 なお、有症者は全員快方に向かっているという。
関連記事:ノロウィルスはここから感染する 年末年始に注意すべきポイント
■1グラム中に1億個
近年、ノロウイルスに汚染された食品を食べて激しい嘔吐と下痢を起こす急性胃腸炎の集団発生が、世界各地で多数報告されている。
ノロウイルスは人の腸内でのみ増殖するため、患者や感染者の便や嘔吐物には大量のウイルスが含まれており、1グラム中に1億個いると言われている。なお、乾燥する冬は、空気中にも含まれているという。
感染力が非常に強く、少量のウイルス量(100個以下)でも感染し発症するため、食中毒の他に便や嘔吐物、手指を介して人から人へ感染する場合も少なくない。
原因食品としては、調理従事者の手指等を介してウイルスに汚染された食品や加熱不十分な二枚貝があげられる。
関連記事:中国で流行する新型コロナウイルスの予防策は? 厚労省は「基本的な習慣が有効」
■ノロウイルスの予防法とは…
感染から発症まで1~2日間かかるために、食後すぐに食中毒症状がでた場合は、ノロウイルス感染ではない。
主な症状は下痢と嘔吐で、特徴的なのは発病当初に激しい症状を起こす。頭痛、発熱、咽頭痛など、カゼとよく似た症状がみられる場合もあり、通常は発症後3日程度で治癒する。予防法としては…
・調理前、トイレの後は、必ず石けんを使い十分に手を洗う
・二枚貝は中心部まで十分加熱し、特に加熱調理用のカキは生で食べない
・まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や漂白剤で消毒する
・風邪(特に胃腸風邪)のような症状がある場合は調理業務に従事しない
といったことなど。「ノロウイルスはアルコール消毒では効果がないため、石けんを使うことが大事」と東京都健康安全研究センターの担当者がアドバイス。夏でも発生するノロウイルスの食中毒に充分注意したい。
・合わせて読みたい→上原さくら、元旦から救急搬送&入院 「死ぬのかも」と思った病気は…
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)