
身勝手な動機により姉を殺した1人の少年に対し、このほど「終身刑」が宣告された。未成年者をも終身刑に処することが増えてきた米国。矯正や教育により少年の反省や更生を促すことは難しいのかと物議を醸している。
■「接続失敗」で始まった口論
その殺人事件は2018年2月、米国ジョージア州メーコンの民家で起きた。家庭内のWi-Fiインターネット接続が「接続失敗」と表示されるようになり、理由がわからない家族は困惑。じつは当時16歳の息子が無断でそのパスワードを変更していたのだ。
それを知った母親は息子と激しい口論を繰り広げ、そこに20歳の娘が加わり母親の味方をした。そんな姉に腹を立てた少年は、姉の首をしめて窒息死させ、逮捕・起訴された。
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■パスワードを変えた理由
少年が無断でWi-Fiのパスワードを変更した理由は、夢中になっていたオンラインゲーム。「安定したインターネット接続のため、自分ひとりで利用したい」という身勝手な気持ちからであった。
弟の将来を案じ、口を酸っぱくして弟にあれこれ苦言を呈した4歳年上の姉。だが少年は「皆がネットを使うと俺のゲームに支障が出る」と言って譲らず、首を絞められ窒息した姉は搬送先の病院で死亡した。
このほどその裁判が結審し、被告である弟には「仮釈放の可能性がある終身刑」が言い渡された。終身刑のなかでは軽いものだが、未成年者にこれを適用してよいものかと波紋を広げている。