タベアルキスト・マッキー牧元の弁当勝負 「鰻弁当」の現実

マッキー牧元氏が出張や旅行の際に行っている「弁当勝負」。今回のテーマは「うなぎ弁当」。

2019/08/11 10:00

『味の手帖』取締役編集顧問で、タベアルキストのマッキー牧元氏。その食へのこだわりは、出張や旅行の楽しみ「駅弁」にも及ぶ。マッキー氏が行う「弁当勝負」とは何か。本当にうまい駅弁はどれなのか。連載第3回のテーマは「うなぎ弁当」だ。


画像をもっと見る

 

■鰻が贅沢にも弁当に

うなぎ弁当

ほんの出来心である。土用丑の日近辺では、鰻を食べない。自分に課していた禁を、駅弁愛に負けて破ってしまった。今、東京駅「祭」には、土用丑の日に合わせて、三種類の鰻駅弁が用意されている。

弁当にした、冷えた鰻には期待はできない。そう思うのだが、鹿児島駅の駅弁という珍しさと、明日鹿児島に行くというウキウキ感で、つい手に取ってしまった。

値段も確かめず、レジで価格を告げられ、「えっ!」と、心の中で叫んだ。2,800円である。さすが鰻様、2,800円と言われても、仕方ないと思わせる。


関連記事:銀シャリ鰻、35歳までクレカを作らなかった理由 「勝手に抜かれるのが嫌」

 

■開けてみると…

うなぎ弁当

開けて、再び目を丸くした。期待はしていない。していないが、もう少し大きくてもいいんじゃないの。隙間から見える白いご飯が、恥ずかしそうにしている。 さらに、食べて思う。この弁当には、様々な示唆や疑問が詰められている。

①現実の厳しさを教える


②鰻は厚切りハムを少し硬くしたような食感で、嚙めと言ってくる鰻もあることを教えられる。


③生前はアスリートであったのだろう。こんなに小さくとも、筋肉質で小骨もしっかりとしている。


④タレは甘く濃く、必要にして充分であるが、それでもタレ袋を添えるのは、優しさか?


⑤ゴムと言っては失礼だが、皮は似たような食感で、咀嚼力が試される。


⑥弁当箱をここまで大きくする必要があったのだろうか? 小さい鰻をさらに寂しく見せようとしたのか?


⑦タレの味以外の風味を探すため、味覚の鍛錬となる。

Amazonタイムセール&キャンペーンをチェック!

次ページ
■発売の経緯を妄想する
弁当マッキー牧元崎陽軒タベアルキスト味の手帖土用丑の日うなぎ弁当シウマイ弁当
シェア ツイート 送る アプリで読む

人気記事ランキング