チェルノブイリ界隈の水と穀物から新ウォッカ誕生 地元復興に一役買うか

福島第一原子力発電所事故を経験している日本だけに、チェルノブイリの復興の努力は他人事ではない。

社会

2019/08/11 14:00

チェルノブイリ
(Blinoff/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

1986年にウクライナ・キエフ州で起きた「チェルノブイリ原子力発電所事故」。ここには人々が住めなくなり、荒れ地と化すと同時に野生生物が棲みついてしまったが、その周辺の立ち入り禁止区域を長く研究してきた科学者チームから、このほど興味深い発表があった。



 

■『アトミック(ATOMIK)』と命名

極めて深刻なレベルの、あの忌まわしい原発事故から33年。しかしチェルノブイリも周辺地域から徐々に変わろうとしている。この土地の復興を祈願し、そこで収穫された穀物と水から新ブランドの「ウォッカ」を醸造することに成功したというのだ。

美しい木箱の緩衝材の上に寝かせられた、ガラスボトル入りのそのウォッカ。ボトルに貼られたラベルには『ATOMIK(アトミック)』の文字と、その土地で大量繁殖が続いているイノシシの絵が描かれている。

ずいぶん自虐的な印象があるが、しっかりと議論を重ねた結果のネーミングとラベルだという。


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■原発事故由来の放射性物質は

誰もが気にするのは、健康への被害が問題となる原発事故由来の放射性物質が、そのウォッカにどの程度含まれているかということだ。

優れた蒸留プロセスにより不純物を限りなく除去したといい、その後に英サウサンプトン大学で行われた成分分析では、心配される放射性物質のすべてにおいて基準値を下回り、ただし放射性炭素14のみが検出された。

これについて英ポーツマス大学のジム・スミス教授は、「炭素14のその値は、アルコールを含むほかの飲料全体においても確認されている」と説明している。

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■収益のほとんどが町の復興に

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