男児の頬叩いた教諭に罰金刑 教育委員会は「アドバイスした矢先だった」
たった1回の平手打ちで起訴される事態に…
体罰が依然としてなくならない現状。そんな中、熊本県の小学校の教諭の体罰に対して、罰が下った。しらべぇ取材班は、教育委員会から詳しく話を聞いた。
■男児に1回平手打ち
熊本県あさぎり町教育委員会は13日、町立小の30代男性教諭が男子児童をたたき、暴行罪で人吉簡裁から罰金5万円の略式命令を1日付で受けたと公表。町教委によると、教諭は昨年11月26日、担任として受け持っていた男児に教室で指導する際、1回頬に平手打ちを加えた。
男児にけがはなかったが、保護者が県警に被害届を出し、教諭は任意で警察の聴取を受け、その後起訴された。
町教委の担当者は、取材に対して「一生懸命やってはいるが、『若い教諭でもあるのでしっかり指導していきましょう』と校長にアドバイスしていた矢先だった」と話した。
関連記事:いじめで重傷負った被害児童・目撃した姉が不登校に 「人生狂わされた」と母が涙の訴え
■暴行罪と傷害罪の違い
暴行罪は、暴行を加えたが傷害(けが)が生じなかった時に成立し、暴行を加えて傷害(けが)が生じた時には、傷害罪が成立する。傷害罪になるのは、力の行使によって傷害を負わせた時に限られる。
では、どこからが傷害にあたるのか。最高裁は、一時的な精神的苦痛やストレスを感じたという程度にとどまらず、医学的な診断基準において求められている特徴的な精神症状が継続して発現した事案において、刑法にいう傷害に当たると認めている。
暴行罪は、「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と定められているのに対し、傷害罪は、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められている。
関連記事:小学校で教師が暴走 女子児童ひとりを逆さ吊りにする凄まじい体罰
■体罰は犯罪として…
しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,363名を対象に調査したところ、全体の59.1%が「体罰は犯罪として処罰されるべき」と回答した。
「たった1回」の平手打ちでも起訴される時代。この現実を、すべての教師、そしてスポーツ界の指導者が重く受けとめる必要があるといえるだろう。
・合わせて読みたい→『ばいきんまん』が日本の法律で裁かれたらどんな罪になるのか? 弁護士に聞いた
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代の男女1,363名(有効回答数)