消防署員が記事執筆の副業で処分 土岐市の「ずさんな調査」も取材で判明
消防署員が記事執筆で報酬を受け取り処分 その調査がずさんなものだった
岐阜県土岐市の消防署員が、副業違反などで処分された。しかし、この処分を下した市の調査が、すざんなものだったことが、しらべぇ編集部の取材で判明。
■記事執筆で報酬を得ていた
土岐市は、南消防署に勤務する30歳代の消防署員が、業務中などにインターネット上に記事を寄稿して報酬を得ていたと発表。署員は2016年12月ごろから今年7月まで、テーマごとに記事の執筆を請け負い、報酬を受け取っていた。
18年1月ごろからは、個人パソコンで勤務中にも記事を書いていた。署員は「多い時は1カ月に50本の記事を書き、最近1年では約120万円の報酬があった」などと話しているという。
記事は1件あたり約1千字~8千字で、ファッション関係の記事や商品レビューなどを書いていた。消防関連の記事は書いていないという。
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■市のずさんな調査が判明
土岐市役所人事課は、しらべぇ編集部の取材に対して、
「この署員からの聴取のみで、記事を寄稿した業者からの聞き取りは行っていない。最近1年間の報酬額は聴取したが、それ以前にいくら得ていたかについては把握していない。
過去、税務署に申告を行っていたかも分からず、『今年度分の申告については行う』と署員が言っている。業者名の公表は行わない。
人事課の調査を審査会にあげて、署員の行為は、地方公務員法の副業違反と職務専念義務違反と判断し、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした」
と回答。こういった処分をくだす場合は、一般的に他の自治体の処分内容を参考にすることが多いが、土岐市は、過去の自らの市の処分例のみを参考にしたという。