市役所で生活保護費203万円紛失 取材に「重く受け止め再発防止に努める」

生活保護費を紛失した原因は内部の管理体制のずさんさだった

2019/08/23 19:20

金庫
(Jay_Zynism/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

先日は、長崎市職員の怠慢で生活保護費の一部が支払われなかった事案を取材した。今度は、兵庫県明石市で生活保護費を紛失する事態が発生。しらべぇ取材班は、明石市役所を直撃した。



 

■9世帯分203万円を紛失

兵庫県明石市は22日、市役所内の金庫に保管していた9世帯分の生活保護費約203万円を紛失したと発表。市は盗難の可能性が高いとみて、近く明石署に被害届を出す方針だ。

市生活福祉課によると、生活保護費は世帯ごとに毎月の支給額を封筒に入れて用意。毎月1日の支給日に支給できなかった世帯分は金庫に保管している。

金庫には今月1日以降、8月支給のための分を中心に、29世帯33件分の計約428万円が入っていた。ケースワーカーが21日午前、金庫から支給分を取り出そうとして紛失が発覚。確認したところ、9世帯に支給する計203万7千円がなくなっていた。


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■ずさんな管理体制

市生活福祉課は北庁舎4Fにある。このフロアーで働いている職員が、約60名。この課にある金庫は、ダイヤル式で鍵を開ける方式で、その番号を知っているのは3名のみ。始業時に鍵を解除し、職員が帰宅するまで、終日鍵が解除された状態になっていた。夜間はロックされていたという。

また、この金庫に入っていた各世帯の封筒を持ち出せるのは、ケースワーカーの約50名。封筒を持ち出すときには、金庫周辺にいる10名の職員の誰かに持ち出すことを伝えるルールになっていた。

しかし、どのケースワーカーが、誰の封筒を持ち出したかのチェックは行っていなかった。このような体制が、過去からずっと続いていたという。

市生活福祉課の課長は、取材に対して、「警察の捜査に協力するとともに、生活福祉課としての調査も行っていく。今回の事態を重く受け止め、金庫の管理体制などを見直し、再発防止に努めたい」と述べた。


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■内部の犯行の可能性

ネット上ではこの事案は、内部の犯行としか思えないという意見があがっている。

「外部の者が盗んだとは考えられない」


「200万円欲しいけれど、そんな事で人生を捨てるなよと言いたい」


「そもそも現金支給なのがおかしいと思う」


「盗まれた金は誰が弁償するの?」


ずさんな管理が、こういった事案の要因となっている。税金が使われていることを、もっと重く受けとめ、お役所仕事ではなく、危機意識をもって業務にあたってほしいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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