特別支援学校の教諭が生徒をひざ蹴り 「生徒が寄ってくるのでやった」

特別支援学校の教諭が生徒におぞましい行為を行っていたことが発覚

2019/10/25 09:00

足
(kuppa_rock/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

熊本県教育委員会は23日、県立熊本支援学校(熊本市)で、20代男性の常勤講師(臨時的任用教諭)が中学部2年の男子生徒の下腹部をつかんだり暴言を放ったりするなど「不適切な行為」を繰り返していたと発表した。

この教諭は、この事案を校長に報告しておらず、隠蔽を図ろうとしていた疑いがあることが取材でわかった。



 

■「くさい、あっちいけ」

県教委よると、教諭は6月~10月の間、生徒の股間を握ったり、尻をひざで蹴ったり、荷造り用のテープで手を縛ったりした。こうした行為があったことを生徒の担任が知り保護者に報告。この学校では複数の教諭が同じ教室で同時に指導にあたることが多いという。

こういった行為は、この教諭が一人で指導している間に行われた。教諭はこの事態を校長に報告しておらず、担任から報告を聞いた保護者が学校に10月11日に電話連絡し、発覚。

学校は15日に教委に報告。教諭は学校の聞き取りに事実関係を認め「生徒がかまってほしくて寄ってくるのでやった」などと説明したという。

また、授業中や休憩時間などに「くさい」「迷惑」「あっちにいけ」などと言っていたことも確認した。県教委と同校が同日、保護者説明会を開き校長が謝罪。校長は「教員として許されない行為で深くおわび申し上げる」と述べた。

教諭は現在謹慎中のため、この間の給与を支払われるという。今後、教委が本人から聴取を行い、処分を決める。


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■十分な学びの確保

文部科学省によると、2017年度現在、特別支援学校は1,135校あり、約14万人の児童・生徒が通っている。中教審では特別支援教育の課題について、

「障害者の権利に関する条約に掲げられたインクルーシブ教育(包括的教育)システムの構築を目指し、子供たちの自立と社会参加を一層推進していくため、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校において、子供たちの十分な学びを確保していく必要があり、一人一人の子供の障害の状態や発達の段階に応じた指導を一層充実させていく必要がある」


「その際、小・中学校と特別支援学校との間での柔軟な転学や、中学校から特別支援学校高等部への進学など、児童生徒の学習状況を踏まえた、教育課程の連続性を十分に考慮していく必要がある」


としている。


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■多様な人々が共に…

また、特別支援教育の展望については、

「グローバル化など社会の急激な変化の中で、多様な人々が共に生きる社会の実現を目指し、一人一人が、多様性を尊重し、協働して生活していくことができるよう、学校の教育活動全体で、障害者理解や交流及び共同学習の一層の推進を図る」


「さらに、学校の教育課程上としての学習活動にとどまらず、地域社会との交流の中で、障害のある子供たちが地域社会の構成員であることをお互いが学ぶという、地域社会の中での交流及び共同学習の推進を図る必要がある」


と述べている。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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