日本でイスラム教徒にハラル給食を出すのは困難? 現状では仕方ないと思われる5つの理由
イスラム教徒へハラル給食を出すべきではないと記者が考えた理由
⑤まずは給食以外でできることがあるはず
否定的な意見ばかり上げてしまったがその理由のひとつとして、まずは給食以外でもできることがあるはずだと考えていることもある。
たとえば給食センターや学校は原材料がすべてわかる献立表を事前に送り、親が確認して家庭で調理したもの、手間がかかるならハラルの冷凍食品やレトルト食品を使って食べられないメニューの代替として持たせるのはどうだろうか。
ほかにも日本にはハラル対応の料理店はあるので、その店と協力して子供にお弁当を作ってあげるなど、いまの給食制度を変えずに上手くやる方法はいくつもあると思う。
関連記事:田村淳、給食を持ち帰った教諭に持論を展開 「悪いことなの?」
■これから皆が考えなければいけないテーマ
以上が記者がそう考えた理由だ。確かに配慮は必要だが、それによりムスリムでない子供たちに影響が出たり、教育費の値上げに繋がるのはムスリム以外から反発が出ても仕方ないことではないだろうか。
また、ムスリムと結婚した場合はイスラム教に改宗する必要がある場合も多いので、今後日本人のイスラム教徒も増えてくると思われる。
そうして数世代後、逆にいままでマジョリティだった非イスラム教徒の日本人がマイノリティになったとしたら、その人たちがどうなるのかも考えなければならない。
■アラブ人にも意見を聞いた
ちなみに、外国人が住民の多くを占めるアラブ首長国連邦に住む20代のUAE人男性にこの話を聞いてみたところ、「日本の学校の方針で決めるべき」と、そんな問題が起きていること自体を不思議がっていた。
確かに彼の住むドバイだとスーパーの見えない場所に豚肉売り場があったり、許可制で酒類を売ったりと最低限の配慮はしているが、元々いるUAE人の生活に影響が出るレベルの配慮はしていないし、する必要もないと考えているのだろう。
日本人は他国の人と比べて配慮することが多いかもしれないが、彼の言うように日本が方針を決め、できることとできないことをしっかり伝えないと、あとでさらに大きな問題が起こる可能性もあるのではないだろうか。
・合わせて読みたい→田村淳、給食を持ち帰った教諭に持論を展開 「悪いことなの?」
(文/しらべぇ編集部・熊田熊男)