ナイロン製のお玉やヘラでの熱調理 「有毒物質の溶け出し」を警告
この実験結果に「やっぱり」と感じる人は意外にも多いのではないだろうか。
■肝臓と甲状腺に悪影響か
さらに「そのオリゴマーが肝臓と甲状腺の疾患をもたらす可能性があることがわかった」としているBfR。ナイロン(ポリアミド/PA)を含むエンジニアリング・プラスチック類は現代の人々の暮らしのすみずみにまで浸透しており、その毒性の真相には高い関心が集まっていた。
現在は、「欧州食品安全機関」が医療器具や調理器具の毒性に関するデータを急ピッチで収集しているといい、最終的なリスク評価は、たくさんの実験を重ねたうえで彼らにより示されるものとみられている。
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■紅茶などのティーバッグでも
今年9月下旬にはナイロン、不織布PET、ポリプロピレンなどの袋が使用されているティーバッグから、マイクロプラスチックが大量に溶け出していることを「アメリカ化学会」が発表した。
摂氏95度の抽出でティーバッグ1袋あたり約116億個のマイクロプラスチックが、さらに小さなナノプラスチックが約31億個お湯に溶け出すことが判明したという。
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■便中に排出されるとはいえ…
日常の食生活のなかで、私たちはプラスチックをかなり体に取り込んでいることがわかってきた。
便から排出されるとはいえ、それは摂取した全量なのか。体のどこかに蓄積され、神経も含め体内に悪い影響を及ぼすことはないのか、消費者からは「1日も早く事実を知りたい」との声があがっている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)