「赤い羽根募金が温泉旅行に使われている」は本当か 中央共同募金会の見解は…
赤い羽根共同募金とは、福祉活動や災害時支援に役立てるため、寄付を集う民間による募金活動のこと。この赤い羽根募金が「怪しい」「使用用途がわからない」と物議を醸している。真実を探るべく、運営に詳しく話を聞いた。
今、SNS上で、赤い羽根共同募金の使途に関する話題が物議を醸している。しらべぇ取材班は、真実を探るべく、同募金を運営している社会福祉法人中央共同募金会に、詳しく話を聞いた。
■そもそも「怪しい」の発端は
赤い羽根共同募金は昭和22年からスタートした歴史深い募金活動。そんな募金活動の黒い噂の発端となったのはSNSだ。
その内容は、赤い羽根共同募金が
ピースボートへの支援
社会福祉協議会の温泉旅行
団体所員の忘年会
団体役員や理事への退職金
赤い羽根自体の購入代金
に使われているというもの。「使いみちを調べたら、闇深い」という声も出ている。実際のところはどうなのか。
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■赤い羽根共同募金運営団体「事実と違う」
中央共同募金会の担当者は、「今話題になっていることは、事実と違うことがある」と話す。その上で、「赤い羽根共同募金は各都道府県単位で行われ、各団体に助成が行われている。その助成内容は、『はねっと』というサイトで情報公開している」と述べた。
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■怪しいという噂は事実とかけ離れている
「まず、ピースボートへの支援は、赤い羽根共同募金では行われていない。別の基金で行われている。温泉旅行なども行っていない。障害者や高齢者の団体の研修に使われていることはある」と完全否定。
また、「団体所員の忘年会にも使われていない。障害者の作業所のクリスマス会に使用されることはある」と今話題の内容と実態とは、大きくかけ離れているという。
「社会福祉法人の職員(全国で約200名)の給与は、募金の中から、支払われており、赤い羽根の購入代金にもあてられている。しかし、街頭などで募金活動を行っている約200万人の皆さんは、全てボランティア。ボランティアの皆さんが、このようなことを聞いたら、お怒りになると思う」と述べた。
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■具体的な使用使途は…
「はねっと」で実際の使いみちについて調べていくと、福祉のまちづくり支援事業、災害見舞金交付事業、いわて車いすフレンズ事業、住民支えあいマップ普及促進事業などが、並んでいる。
助成額約1,000万円の岩手県共同募金会「災害等準備金積立」は、社会福祉法第118条に基づく災害発生時に備えた準備金の積み立てとなっている。
また、助成額約470万円の盛岡市社会福祉協議会「障がい者の自立支援、社会参加活動支援事業」は、盛岡市手をつなぐ育成会・盛岡市身体障害者協議会が行う、障がい者の福祉増進と社会参加を目的とした事業への支援とある。
助成金の具体的使途は、企画・調査・研究費、広報費、研修費と記載。なお、赤い羽根共同募金は、毎年10月1日から3月31日まで、街頭やコンビニ等で実施され、振り込みでの受付も行っている。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)